1. はじめに
2017/4/28の昼頃、SATX SRM-T8000が発表された。
現時点でトップモデルのSRM-T8000と、これまでSTAXのドライバとしてハイエンドであり続けたSRM-727Aについて簡単な印象を述べる。
2. SRM-T8000の印象
これまでのドライバと比較して圧倒的に綺麗な音を追求している印象。ノイズ除去や音質劣化を防いだ構造になっている。
また、拡張用のオプションスロット(LINE4の下、ネジで止まっている部分)が存在し、トップモデルとして徹底的かつ拘り抜いた製品であると感じた。
STAXから新たなトップモデルドライバが発表されると噂されていた時、半導体式/真空管式か議論があったが、最終的にハイブリッド型という形となっている。
また、中身がぎっしり詰まっているという話もあったが、実際に中身を見ると盛り沢山で、未知なる音質を秘めているような雰囲気を感じる。
3. SRM-727Aとの印象
個人的には、真空管のメンテナンスが定期的に必要なSRM-007tAは購入対象から外れていた。また、SRM-727Aのしっかりした音が好みであったため、出力段が半導体型のSRM-727Aを軸として購入を考えていた。
SRM-T8000は、新ドライバも半導体式で...と思っていた部分もあったが、初段に真空管を用いており、更にオプションスロットが用意されていることから、SRM-007tAと同様に維持が大変になりそうな感じはある。
価格の面においては、予想を超える値段設定でSRM-T8000は60万を超えており、SRM-727Aの価格の5倍ほどはある。
なお、SRM-T8000ではオプションスロット使用時と未使用時で消費電力に差があるが、こちらについては「音」が聞ければ良いと思っているので特に気にしていない。
これとは別で、SRM-727Aではボリュームパスが可能だが、SRM-T8000もダイレクトモードが搭載されている。個人的には安価な方のSRM-727Aに別のプリアンプを接続して音質向上を図ってみるのも面白いと思っている。
実現する可能性は限りなく低いが、例えばAccuphaseのC-2420またはLuxmanのC-800fをセカンドユーザとして購入し、それにSRM-727Aを接続する構成にした場合、新品でSRM-T8000を購入するよりも別な楽しみがあると思っている。
しかしながら、やはりトップモデルとしての興味も薄れることがなく、欲張ってプリアンプとSRM-T8000を組み合わせてみたいという思いもある。
現時点では、メンテナンス性を考慮しない「SRM-727A」を購入対象として見ているが今後自分の中で方向が変わるかもしれない。
従って、最終的には以下の図のような構成にしたい。ダイナミック型の構成は既に完成しているため、新たに追加する部分は右の構成部分である。DA-06から受け取ったバランスでのアナログ信号をLS-X0iで随時切り替える方式にしている。
しかしこのような構成だとプリアンプ導入により、接点が多くなり音質劣化のリスクが考えられる。最適化の必要があると考えている。
4. 今後に向けて
実は今回の発表に向けて、STAX SR-009を購入している。
従って、いずれは必ずSRM-T8000 / SRM-727Aのどちらかを購入することになる。
どちらも2017/4/29・30に開催される「春のヘッドフォン祭」に展示される予定のドライバであるため、もちろん自身としても現地へ聴き比べに行く予定である。
当日は、
・SRM-T8000とSR-009との相性
・SRM-T8000に搭載されるオプションスロット
・メンテナンス頻度
を念頭におくつもりである。
なお、ヘッドフォン祭でSRM-T8000を聴いた際の印象については、再度記事として述べる予定である。
実際に現地でSRM-T8000を聴いてみて、これまでに無い衝撃を受けることを期待する。
⇒2017/4/29 追記)実際に行ってきた
⇒2017/6/10 追記) 実際にSRM-727Aを導入した