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強迫性障害を自分で克服した時の話

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1. はじめに

私は小学生の頃、強迫性障害となった。その時の症状としては、「自分で分かっていながらも何かが不安になり、同じ行為を何度も繰り返してしまう」というものだった。

例えば、夜に教科書やノートをランドセルに入れ、明日の授業に向けた準備をする作業をしたとする。全ての準備が整い、ランドセルの蓋を閉めようとしたその瞬間、

「本当に明日の準備ができているのか?忘れ物があるのではないか?」

という不安に駆られ、もう一度ランドセルの中身を全て出し、一から準備を行う。これを何十回と行う。

当時の自分は、このままでは将来に影響が出ると思い、考え方の改善を行った結果、約半年で強迫性障害を克服した。

今回は、強迫性障害が発症した当時の原因と内容を挙げ、克服するために心掛けていた心情や行動について振り返りを行う。

 

2. なぜ強迫性障害が起きたか (原因)

私は、強迫性障害となる前に非常に神経質となっていた時期があった。

当時の小学校の意味不明なルールとして、「忘れ物1個につき、原稿用紙1枚に漢字練習を行わなければならない+先生に嫌味を言われる」というものがあった。自身としては、そんな時間の無駄になるような作業を一刻と回避すべく、日々の確認作業を絶対に怠らなかった。

しかし、その確認作業は私生活にも影響が出始める。どこかのタイミングで負の作用が働き、

「完璧にやらないと最悪とんでもないことになる」

という考えに陥る。この時点で自分は、単なる心配性なのだな、という簡単な印象を持っていた。

 

3. 強迫性障害の悪化 (内容)

心配性だと言い聞かせ、日常生活を送っていった中、症状は更に悪化していく。

具体的な異常行動を以下に示す。

・上履きを下駄箱に入れたのに、本当に入っているか不安になり何十回も出し入れする

・玄関の鍵を締める際、本当に玄関が閉まったか何十回も開け閉めする

・ファミレス等で席を立つ際、忘れ物がないか何十回も確認する

・テレビの入力切替「ビデオ1⇒ビデオ2...」を何十回も回し続ける

・電気のスイッチが本当に切れたか、何十回もON/OFFの切り替えを行う

・自分の歩いてきた道を後戻りし、気が済むまでそれをループする。

など

 

 

 

4. 克服への改善策

半年以上は、3.に述べたことを永遠と行っており、自分も嫌気が差していた。強迫性障害の方の殆どは、自覚症状があるのではないかと考える。

つまり、本当はいけないと分かっているけどやってしまう場合が多いのではないだろうか。

自身もそうだったため、どうにかして異常行動を止めたかった。そこで、「何度も行わないためにはどうすれば良いか?」について検討した。

はじめに、自分自身に暗示をかけることから行った。

・何度も行うのは、自分が気にしすぎているだけ

・今まで何度も確認して大きなミスに繋がったことはない

・周りの目を盗んでやってまで確認を行うことではない。こんなことやる自分はアホ

などといったことを異常行動する前に何度も言い聞かせる。しかし、異常行動から一歩踏みとどまるものの、大きな効果は得られなかった。

 

次に、心情だけではなく実際に行動に移してみた。なお、これが1番効果があったように思う。

・指差し確認の後、その確認対象からいち早く離れる (必要に応じて声を発する)

のみである。

黙々と異常行動を行っていると、何度も繰り返すことになるため、一度物事が終了後に、指を指して「終了したこと」を自分に訴えかける。

更に、指差し確認を行った後は一刻も早くその対象から離れ、瞬時に頭の切り替えを行う。

切り替えに移れない場合は、「もう確認したから絶対に大丈夫」ということを最も強い表現で自分に声で言い聞かせる。

これを半年行った結果、ようやく改善が見られるようになった。

これらを繰り返し行うと次第に、

「まあ大丈夫だろ」

という軽い気持ちが芽生えてくる。今の自分は、一回の確認作業で生活が成り立っている。

 

【改善策を活用した例】

・玄関のドアを閉め、鍵をかける。一度取っ手を引き、閉まっていることを確認

⇒ここで指差し確認。ドアから一刻も早く離れながら、自分自身に「閉まっていたからOK」ということを強く言い聞かせる。

・ファミレスで席を立ち、一度だけ自分の座っていた場所を確認

⇒ここで指差し確認。座っていた箇所から一刻も離れながら、自分自身に「忘れ物はない」ということを言い聞かせる。

・右で握ったものを左で握りたくなってしまう際は、右で握った時点で指差し確認。

握った対象物から一刻も離れながら、自分自身に「もう触るものは無い」ということを言い聞かせる。

 

5. まとめ

今回は、過去に自分が経験した強迫性障害の原因と内容について述べ、改善策を実践した結果について述べた。

強迫性障害は、自覚症状があるだけに非常に辛いものだと認識している。個人的には、薬で改善を図るのではなく、本人の「気持ち次第」なのではないかと考えている。

1人で改善できそうにない場合は、身近な人に助けを求めて良いと思っている(自分で確認を行わずに他人に確認させる等)。また、最近では、確認した結果をスマホで撮影しエビデンスとして残し、いつでも現場をみられるようにするといった手法も見受けられる。撮影した現場を証拠とすることは良いが、いつまでそれに頼り続けるのか、結局は予防策と交えながら、自分自身をいかにコントロールし、自立するかが一番の課題にあるように思う。

あくまで、今回紹介した改善策は一例として捉えていただきたく、他にも多様な解決法があるかと思われる。

現在強迫性障害で、当時の自身と同じような症状で悩んでいる方向けに、何か情報が発信できていたら幸いである。

 

実体験に基づく強迫性障害克服の鉄則35

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