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Final D8000を導入 -SR-009やUtopiaとの違いとは?

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1. はじめに

個人としては初の平面磁界型ヘッドホンである、Final D8000を導入した。

本記事では導入の目的を述べた後に、実際に自宅の据え置き環境で聞いたD8000の音質についてと、感想について述べる。また、D8000と他のハイエンドヘッドホンを比較し、相対評価を行う。

 

2. D8000導入の目的

目的は主に2つある。

① 平面磁界型を所有しておきたい

現在、大きく分けるとダイナミック型とコンデンサ型の2種類のヘッドホンを所有しているが、新たに平面磁界型も加えることによるラインナップの充実を図りたかった。

より種類を拡張していくことにより、音楽の序盤・中盤・終盤、隙のない表現を手に入れることができると考えている。

ダイナミック型ではFocal Utopia、コンデンサ型ではSR-009を揃えているため、平面磁界型でも同じような価格帯のヘッドホン導入が望まれた。

② 高い技術評価と数々の試聴経験

D8000誕生に至るまでの開発話を聞き、その技術に感銘を受けた。自身が特に注目した技術は最近だと、SONYのTA-ZH1ESになる。今までの常識にとらわれないような製品は愛着が湧くと共に、所有欲も満たされる。

また、そんな開発話を聞きながら2017秋のヘッドホン祭など数々の機会で試聴していく内に、何か縁のようなものを感じていた。

音質自体は、既にSR-009等の圧倒的な表現力で耳が慣れていたため、所有しているヘッドホンの他において特徴を見出すのに時間を要したが「とりあえず買ってみよう」という気持ちになっていた。

 

3. 音質

D8000をP-700uに純正のケーブルでアンバランス接続し、PC→HP-A8→DA-06→P-700u→D8000で音質をチェックした。なお、LUXMANの機器類には電源ケーブルJPA-15000を全て適用しているものとする。

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はじめに、音を聴いた際の印象を述べる。次に、SR-009やUtopiaをはじめとした音質の相対評価を行う。

再生ソフトウェアはFoobar2000。音源は、μ'sのLOVELESS WORLD(FLAC96kHz)。

※試聴 

LOVELESS WORLD

LOVELESS WORLD

  • μ's
  • アニメ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

① 音を聴いた際の印象

低音の表現に優れ量感が多いが、全体的に力強くバランスのとれた音を鳴らしている。これに伴い、とにかくパワーが有り、非常に躍動感のある音を創り出してくれる。

音のテンションとしては薄暗目で、かつ耳の周りを包み込むような感じを受ける。薄暗目というのは、決して篭っているわけではない。繊細ながらも通常の曲のトーンより重めでズッシリした、乾いた表現である。

ヴォーカルも離れすぎず、近すぎず周りの音と調和しており、まず聴き疲れすることは無い。

一言で表せばポップ。どのジャンルでも聴いていても心が踊るような感覚になる。

 

② SR-009との相対評価

試聴段階で気付いていたことではあるが、SR-009の音はしっとりと艶があるように聞こえる。特にSR-009はクラシックギター等の弦楽器系を耳に近くで生々しく舐めるように鳴らすため、クラシックとの相性も抜群である上、曲の中にソロギターが用いられる曲に対しても完全に余韻に浸ることが出来る。

対してD8000は①で述べた通り、全体的に乾いた音で弾けた音を出す。定位はD8000が幅広い。分かりやすくドラムの音などが左から右へ耳を伝う。

高音に対してはD8000はSR-009と比較して控え目に鳴らしている印象だが、低音は分かりやすくドシドシ鳴らしている。ただし、高音も伸びるところはしっかり伸びており、両者とも分解能は高い。音場はD8000の方が創り込めている感じだった。

聴き比べをしてみたが、どちらか篭っていると感じることは無かった。曲のはじめでは、D8000のスッとした音の入り方が印象的だった。それから徐々に力強さを感じていく。

 

③Utopiaとの相対評価

UtopiaはD8000とは異なり、曲のトーンとしては明るい。Utopiaは明るさとそのハイスピードさを持ち前としており、どんどん曲の終盤に向かって突き放していく。よって、音場としての迫力ではなく、ペースやテンションの迫力に特化している。

対してD8000は、低音やインパクトを全面に出していることにより、うまく音場を創り出し、曲の雰囲気を出すことが得意なイメージをもった。

低音はD8000の方が出ているが、Utopiaとは出し方が異なる。Utopiaは明るめの音を創りながらも、その土台として低音を添えているような感じである。D8000の低音は音の中に溶け込んであり当然で、あたかも自然に出ている。

こちらも聴き比べをした結果、どちらか篭っていると感じることは無かった。このクラスになると、音の量感はどれも凄まじいが、鳴り方や雰囲気で印象が左右される。

 

ここまでをまとめると、

・SR-009はアナログな優等生でちょっと懐っこい (曲のトーンは普通)

・Utopiaは元気っ子。足が速くテンションが高い (曲のトーンは明るめ)

・D8000は冷静だが懐が非常に厚い (曲のトーンは薄暗め)

となり、自身の環境の中でも使い分けがうまく出来そうである。

 

【その他参考記事】

 

④ TH900mk2との相対評価

D8000の後に聴くTH900mk2の音はスッキリしている。TH900は低音に特化しているが、確かに強調されているものの、D8000の迫力と低音の量感と比較するとやや差があるように感じる。TH900mk2の低音は奥行きがあり立体感はありつつも、時に周りのシャリシャリ音にかき消されてしまう時がある。しかし、D8000の低音は周りの音と完全に分離しており、立体感が常時直接伝わってくる。

TH900とD8000との違いは、一言で言えば「ドンシャリ」。とにかくただひたすらに盛り上げたい、気分をリフレッシュしたい場合はTH900mk2を選択するだろう。曲に対しての雰囲気を求めるならば、D8000だろう。

 

4. まとめ

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今回は、D8000の音質について述べ、更に代表的な各分野のハイエンドヘッドホンとの相対評価を行った。

D8000についても、Focal Utopiaと同様にバランスケーブルへの切り替えを随時行っていく予定である。その際の音の変化についても軽く本記事で追記できればと思っている。

目標としていたヘッドホンの導入は今回で収束した。ほかSUSVARAやLCD-4も音質については定評があるが、こちらについてはアンプ駆動力や運用保守の面で負担が大きくなってしまうため導入を見送っている。また、機会があったら比較試聴を検討している。

 

final D8000 FI-D8PAL 平面磁界型ヘッドホン

final D8000 FI-D8PAL 平面磁界型ヘッドホン

 
STAX SR-009

STAX SR-009