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LUXMAN ES-1200を導入 - ハイエンドヘッドホンを聴き直す

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1. はじめに

これまでLUXMANを軸としたオーディオを構成してきたが、それぞれの機器の電源は一般家庭用の1000円ほどの電源タップからとってきていたため改善の余地があった。なぜならば、電源の強化は音質の変化に結びつきやすいという個人の考えがあるからである。実際に、全ての機器に接続する電源ケーブルLUXMAN JPA-15000に統一し、結果的にその音質の変化を目の当たりにしてきた。

今回は、その電源環境をより良いものにしようとLUXMAN ES-1200を導入し、現在の環境に組み込んで接続したので、その導入背景と導入後の音質の変化について述べる。

 

2. 導入背景

2.1 クリーン電源の必要性に至るまで

私は、2017年秋頃にオーディオユニオンにてD-08u、C-900f、M-900u、B&W 802D3の試聴会に参加し、クリーン電源(ES-1200)を挟む時と挟まない時の音質比較も体験させていただいたことがある。その機会に至るまでは、クリーン電源に何十万も費やすのは如何なものか?という気持ちでいたが、実際に聴いてみると有るのと無いのとでは聞こえ方がまるで違うということを認識させられた。

例えば、クリーン電源を挟む場合には全体的に音が爽やかな印象となり、特に高音のシャリつきが一切無くなる。防犯ブザーなどを耳に近い状態で聞くイメージに近いが、高い音を聞くと、耳の中にキリキリと響くことがある。オーディオにおいても、女性ボーカルなどで高い音が含まれている曲の場合、時にそれと同じようなことが起きる。

しかしクリーン電源を挟むと、例え無理のある高音もまろやかに、伸びのある音で柔らかく包んだ表現に変えてくれるのである。これは、スピーカだけではなくヘッドホンにも同じような効果が期待できると考え、それ以来私はクリーン電源の導入を推進してきた。

2.2 クリーン電源の選定

代表的なクリーン電源をいくつか候補に挙げ、それぞれの製品について特徴を整理した。

AccuphasePS-1230は度重なるアップグレードモデルで実力もあり、物量も重量があり納得のクオリティである。運用面で見れば、1人で運べない大きさとなり、ラックに収まらない大きさで導入を控えていたが、音質的にはAccuphase特有の正確な空間を支配してくれそうな印象であった。まさに適正な品質を提供してくれそうな予感がしたため、選択としては有りであった。

・SIGMASのISOTEKやPS AUDIO等は、クリーン電源適用後によく見られそうな「音痩せ」や「引っ込む」感じをもたらすことなく、しっかりと電源を強化した上で音自体も力強く前へと押し込んでいくような印象であった。自宅のLUXMANも比較的元気よく弾けた音を出すため、より音自体を盛り上げるという意味では候補として挙がった。しかし、自身はまったりとした音を好むため相性が良すぎる場合は、ドンシャリ化してしまうことを懸念していた。

LUXMANES-1200は、機器の一貫性という意味では自宅の環境と非常に相性が良さそうで、なおかつスイッチング方式の利点を活かし軽量で、運用が非常にしやすい印象であった。音質についても、今のLUXMANの音を継承しつつ聴きやすい音造りをしてくれる確信があった。また、他のクリーン電源とは少し違ったアプローチ(電源の波形を比較、サイン波として補正)で電源の改善を試みているという点も興味を惹く要因となった。

 

以上の検討の結果、軽量により自宅におけるシステムの運用がしやすく、かつシステムをLUXMANに統一することによる一貫性が期待でき、それに伴う最大のラックストーンを体感してみたいという思いからES-1200を選択し、購入に至った。

 

3. ES-1200の環境・導入状況・音質

3.1 機器環境

ES-1200を自宅の機器に接続し、以下の図のような構成とした。

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ES-1200にDA-06、P-700u、C-800f、SRM-727AJPA-15000で接続し、ES-1200自体の電源については自宅の壁コンセントにJPA-15000で接続した。

今回は、この状態でPCからFoobar2000より音楽を再生し、P-700uにてHD650とUtopiaをバランスで接続し、D8000をP-700uにアンバランスで接続する。また、C-800fからボリュームパスしているSRM-727AにSR-009を接続する。

3.2 ES-1200の導入状況

本記事のトップの画像がES-1200から電圧の値を示したものである。自宅の入力電圧はおおよそ「99~103V」に推移しており、ES-1200によって常時100Vが出力されている。また、以下に示す画像が電源の歪率の状況を表す。

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自宅の歪率としては、おおよそ「2.5~4.2%」と幅が大きく、特に深夜帯になるにつれて歪率が増加する傾向にある。しかし、これらもES-1200によって常時0.1%に補正され、適切な正弦波として出力されていることが伺える。

ちなみにヘッドホン祭で度々これらの数値を確認しているが、中野サンプラザの入力電圧はおおよそ「99V」で入力歪率は「3.2%」辺りに推移している。これに対するES-1200の出力については、今回の自宅の出力と同様に100Vの出力電圧と0.1%の出力歪率を維持している。

※私自身、電気工学を専攻していないため表現に不自然な記載がある場合はご容赦願いたい。

3.3 ES-1200適用後の音質

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3.1で述べた環境をもとに、各ヘッドホンで音質を確認した。

PC再生ソフトウェアはFoobar2000。音源は、福山雅治の最愛(WAV44.1kHz)。

※試聴  

最愛

最愛

  • provided courtesy of iTunes

 

 ・HD650 (XLR4 純正バランス)

ボーカルがより耳に近づき、クリーン電源適用前の「ボワーっ」と鳴っていた左右の音がより鮮明になった。低音の質はより向上し、「ボンボン」と鳴っていたものが「ブォンブォン」というように深みが見られた。低音だけでなく、全体的に中域から高域の音がより強化されたと考える。印象としては、一つ一つの音がよりキレのあるものに変化し、音場もやや横に広がっているようにも思えた。HD650の特徴でもある暖色系の厚い音は継承されたまま、それにいくつか音を楽しむための前述の要素が付加されている状態である。

それにしても、環境次第でこれだけ幅のある音を鳴らせるHD650は相変わらずのポテンシャルであると感じた。

ゼンハイザー ヘッドホン オープン型 HD 650【国内正規品】

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・Utopia (XLR4 UPG001HP Ref.バランス)

クリーン電源適用前は、ざわつき感やジャキジャキ感があり、それらが耳に響くことがあったが適用後はそれらが一切消えた。Utopiaは細かい音までも全て拾い鳴らす特徴もあることから、これらのノイズ感が消えることによってより音楽自体が聴きやすくなり、違和感なく完全に没頭できるようになった。今まで前に出すぎていた音の部分も制御が効いているのか、少し引っ込んだ形で全体的にバランス良く表現できていると考える。全体的に音のトーンは明るめのそのままで、かつ静寂感と透明感が比較にならないほど劇的に進化したように見受けられる。

こちらもHD650と同様に中域から高域にわたって音の進化具合が分かりやすく、Utopiaとの相性が良い。そしてなによりも、ボリュームを上げても耳に音が突き刺さらなくなることが大きく、ハイスピードを維持した鳴らし方に限界のない環境に仕上がったと感じる。

 

・D8000 (6.3mm 純正アンバランス)

クリーン電源適用前はどちらかというとエッジの効いた音であったが、適用後は音場が全方向に広がった印象を持ち、確実に音の包み方が大きく変化している。Utopiaが拾うような小さい音も僅かでは有るが少しそれらは浮き出て細かい線となり、綺麗に表現するようになった。D8000の特徴的な「躍動感」と「滑らかさ」の絶妙なバランスと基礎がしっかりとした低音を保ちながら、前述の要素を付け加えることによって、クールで濃密な音楽の楽しさをより楽しめるようになった。Utopiaでは静寂感と透明感の向上として空間表現的な変化が感じられたが、D8000では躍動感と優美さの向上として音楽表現的な変化が感じられた。

 

・SR-009

音全体がスッキリし、滑らかとなった。特徴的である自然な音がよりグレードアップし、抜ける音はしっかりとスッと抜けて本当に耳に入りやすい音に変化した。

特に、本来の曲を大きな味付けなく綺麗に鳴らすヘッドホンであるため、アンプの特性や環境によってその鳴り方も異なってくると考えられる。今回はLUXMANで機器を統一しているため、クリーン電源を通したSR-009が出すその音はまさにラックスの特徴でもある「キレとまったりさを融合させた音楽性が豊かな音色」となって最大限に、自分の構築した結果の音をフィードバックさせるものになったと認識している。

クリーン電源導入後は、SRM-727AとES-1200をアース接続しハムノイズ対策を行っている。

 

4. まとめ

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今回は、ES-1200の導入の背景と導入後の音質について、各ハイエンドヘッドホンを用いてその差を確認した。

どのヘッドホンにおいても全体的に中域から高域にわたって音自体に透明感と解像感がより生まれ、ノイズ感が無くなり聞きやすくなった。これにより、クリーン電源はスピーカだけではなくヘッドホン環境においても音質の変化に大きく貢献することが示され、導入効果があったと結論付ける。

個人的に、電源はオーディオにおいて非常に重要な要素の1つであると考えている。現在の環境の基礎力アップやノイズ感に悩まされている場合は、是非電源に着目いただければと思う。本記事がそのきっかけとなれば幸いである。

LUXMAN ES-1200

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