おうまさん

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STAX SR-X9000の試聴会に参加した話 SR-009,SR-009Sとの音質差異

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1. はじめに

 2021/9/16に発表されたSTAX SR-X9000の試聴会に予約(フジヤエービック)し、実際に参加したので聴いた感想を本記事にて報告する。なお、自身は自宅にて以下の環境でSR-009を運用しており、試聴会参加一週間前よりSR-009を聞き込んだ上で臨んだため、試聴会に用意してあったSR-009S、STAX SR-X9000を含んだ計3種についての音質差異について述べる。

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自宅の環境  ES-1200 → PC(Windows10 / Roon) → DA-06 →LS-0Xi → C800f → SRM-727A → SR-009 ※ボリュームパス

 

2.  SR-X9000試聴環境(フジヤエービック)

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 SR-X9000試聴にあたり音源は現地の曲を選曲した。用意されていた機材は以下の通り。

PC(MACBookAir / Audirvana Plus) → (USB) → Benchmark DAC3B → (XLR) → SRM-T8000 → SR-X9000,SR-009S

3. 試聴結果

 SR-X9000は、一言で言えば「音がふくよか」でこれまでの製品と比較して全体的に柔らかみが付与されて空間が広くなった印象がある。これまでの音の傾向はそのままであるが、SR-X9000からSR-009Sの順で聴き比べると違いは顕著に現れ、SR-009Sは全体的に音が乾いた質素な感じを受ける。SR-009,SR-009Sは音の厚みがあり解像度のある繊細な表現で音を自然に鳴らす一方で、音自体を直接的に耳に訴えかけ、線のあるキレのある音を鳴らす。しかし、SR-X9000では音の厚みをふわっと仕上げるが中身は濃密で、これまでの製品からもうひと回り空間を広く取り、音楽的な表現(音場)と全体的な音の立体的な体積をプラスしたように感じた。音楽的な表現とは言っても、SR-007AやMeze Empyreanのようなボワっとした横に湧き出るような感覚ではなく、あくまでも残響を残す程度で広がる自然なイメージである。そういった意味合いでSR-X9000からSR-009Sを聴くと体積が減ったように感じ、質素な印象を受けたものと考えた。

 SR-X9000,SR-009S,SR-009における比較試聴して個人的に感じた差異について以下の図に示す。

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 SR-X9000で感じたのは、例えばヴァイオリンのキコキコなる高音は余裕を持った状態で音が表現される。SR-009S,SR-009は高音の限界値そのままをダイレクトに音の厚みを持って直接的に訴えかける傾向にあるが、SR-X9000では限界より空間にゆとりを持たせて(残響分)ふわっと仕上げているように感じられた。実はこれを感じたのはSUSVARAを導入して以来であり、高域低域の枠の大きさの取り方はSUSVARAの範囲のようであった(鳴り方は全く異なる)。※試聴音源例は「ヴァイオリンと弦楽のための協奏曲 ホ短調 RV278: 第3楽章: Allegro」。

 また、別の試聴音源にて音の体積の面においてはボーカルの裏で鳴っている「ポコッ」「シャカ」系の楽器はSR-009S,SR-009より分離感が更に明らかとなり、ボーカルより離れた場所で自然に表現していることが分かった。SR-009,SR-009Sではこれらの付帯音は、音自体の厚みがある影響もあり、ボーカルとほぼ同一線上にあるように感じてしまうが今回厚みが緩和されたことで音全体の体積をもっと感じられるようになったものと認識する。

 

4. イヤースピーカーの選別

 結局、SR-X9000はSR-009S,SR-009と比較してどうなのか?というところだが、メリハリある音が好きであればSR-009S,SR-009で自然にダイレクトに音を感じるのも良いし、音場を重視してより音楽的に浸りたければSR-X9000を選択すると良いと考えた。特にHD800系が好きな人はSR-X9000はよく適合すると推測する。反対に解像度重視・ソニートーン・モニターライク的な方面の音を好む方は、別のヘッドホン(MDR-Z1R、D8000、SUSVARA、Utopia)の方があっているのでは...?という感覚がある。

 自身の場合は、どちらかといえば付帯音が多い曲をよく聴くのでSR-X9000が作り出す表現の奥深さに圧倒されてみたいという思いがある。アニソン、クラシックなど各製品に対しどれが向いているか?というのを考えた場合、結局の所STAXのイヤースピーカはオールマイティで、どのジャンルにも対応しており個人の音の傾向の好みもあるため、やはり上記に述べたように音の厚み(メリハリ)または音楽表現を優先するかで判断基準が変化するものと考える。

 話は変わり、今回ビジュアルにも力が入っている。まずは製品の重さは

SR-X9000 → 432g(本体のみ)

SR-009S → 441g(本体のみ)

SR-009 → 454g(本体のみ)

で製品のブラッシュアップの度に軽量化されている。

写真で見るとSR-X9000のヘッドパッドは黒っぽく見えるが実は茶色で、イヤーパッドも茶色となり、かつてのSR-Ωを彷彿とさせるデザインに力が入っている。

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5. SR-X9000に関するQA

 ・ケーブルは着脱式だがアップグレードケーブルはある?

  →9/19現在で検討中。

 ・発音体の交換では、例えばSR-009は修理に約20万要する。SR-X9000の見積りは?

  →9/23現在で部品の価格はまだ決定していないが、SR-009,SR-009Sよりは高くなる。

 ・ケーブルは既に市販のコードAssyが使用できる?

  →互換性がある。

 

6. まとめ

 今回はSTAX新製品のSR-X9000について試聴した感想と比較試聴して感じた音質の差異について述べた。個人的には将来的に導入を検討するものとなった。2021年は今回のSR-X9000に加え、Meze EliteやAudeze LCD-5など代表的なフラグシップモデルの登場が目立つ年となった。価格帯が69万であることから慎重に製品を選別すると共に、今年のヘッドホン業界の動向を見ながら前向きに検討したいと考える。

//追記↓

 といいつつもSR-009を売却してSR-X9000購入の準備を整えている。中期的な自身のロードマップを見据えた場合、ハイエンドDACの導入→SR-X9000ヘッドホン一本化→スピーカ実運用&ヘッドホンからの脱却が頭の中に思い描かれている。将来はスピーカ導入を見据えたく今後はプリアンプのLUXMAN C-800fを活かしたヘッドホン運用を実施していきたいと考えている。従って自宅にもう一本あるダイナミック型のFocal Utopiaも将来的に売却を検討すると思われるのでヘッドホンアンプの拡充は今後も実施せずP-700uで満たすものとし、SR-X9000購入の時期に併せて機器の一本化を実施しながら、スピーカー導入への繋ぎとしていく予定である。

//追記↑

 様々な音楽ジャンルにおいてリスニングクオリティの高みを目指すオーヲタの信頼に、響きで応えるSTAX。SR-X9000の製品について気になっている方や、今後導入を検討する方へ参考となれば幸いである。

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