1. はじめに
ビジネスホテルに使用されるバスタオルは吸水性が物凄く、肌に密着してごっそり水分を持っていかれる不思議なタオルで定評がある。ホテルのタオルは何度も洗濯されており、そもそも業者側で柔軟剤を使用せずに乾燥も工夫されているため、自宅では中々再現できないものであるが、1000円~3000円台で手頃に購入できてホテルのバスタオル感覚に近いものはどれか検証を行いたいという趣旨から、本記事を執筆する。
評価の基準としては、ホテルならではの「吸水性」「身体へのフィット」「手触り」を観点とし、フィットギャップ分析を行い最もホテルに近いタオルの選定を行った。なお、ここで言うホテルとは1泊数万円以上する今治タオルを意識したものではなく、1泊数千円程度の一般的なビジネスホテルを意識した評価を前提とする。なぜならば、高級ホテルのバスタオルは既にネットで一部公式により販売されているためである。
例)リッツカールトン大阪のバスタオル
2. 評価に使用するタオル
今回は、3つのバスタオルを選定して評価を行った。なお、今後新たなバスタオルを購入した場合には追記する。
・セブンプレミアム ホテル仕様 極ふわバスタオル(1,078円) 綿100%
・タオル研究所 #003 ボリュームリッチ (3,000円前後) 綿100%
・無印良品 パイル織りその次がある薄手バスタオル(1,000円前後) 綿100%
3. 評価
2.で挙げたバスタオルについて、それぞれ3回以上使用した評価および印象を以下に示す。
凡例 : ◎→よい ○→普通
セブンのバスタオルは、パッケージの通り感触がふわふわで、手触りがとても良い製品であることを実感した。吸水性に関しても不満はないが、ビジホにおけるバスタオルに特徴的な、「乾燥的な肌への密着性」は普通の感触であった。身体への優しい感触を期待する利用者にとっておすすめできる製品であるが、今回の数千円台のビジホを意識した「良い意味での雑さ」が無かったため、上記の評価とした。
タオル研究所のバスタオルは、開封後の使用感はマイクロファイバータオルを彷彿とさせる感触で、セブンのバスタオル程ではないものの、ふわふわ感があり身体を滑るような感覚で水分を吸収すると思われた。しかし一度洗濯したあとは滑るような感触はなくなり、抜群の吸水性を保ちながらある程度ホテル風味の身体への密着性(タオルを身体に巻いた際の包み込むようなフィット感)を感じられるようになった。若干、身体を滑らせる感触は残っており摩擦感を感じさせないタオルとなっているため、吸水拭き取り時に違和感を感じないようなタオルを求めている方におすすめできる製品であると感じた。
無印良品のバスタオルは、手触りは普通であるが、ホテル風味の身体への密着性(タオルを身体に巻いた際の包み込むようなフィット感)がよく、吸水性にも優れており、3つのバスタオルの中で最も満足感が高い製品であった。ホテルのバスタオルを意識した拭き取り時の程よい摩擦感が好印象で自身の好みに合うものとして結論付けた。一見、洗濯後のタオル研究所と無印良品は似ている性質を持っていると思われたが、細かい繊維を見てみると無印が若干の粗さがあるのに対し、タオル研究所は毛先が立っていてふぁさふぁさしている印象である。この辺りの拘りの違いが拭き取り時の感覚を左右しているものであると想定する。
4. まとめ
今回は、1泊数千円台のビジネスホテルに備え付けられるバスタオルにおいて、低価格帯においてなるべく吸水性・身体へのフィット感、手触りに近いバスタオルを求めるための評価を実施した。ビジホである性質上、ある程度の「ジャンク感」を残しつつ吸水性とフィット感が優れたタオルは無印良品のタオルが望ましいことが分かった。
高級ホテルや今治タオルを意識したバスタオル群を想定した評価となる場合、結果はまた異なると考えられ評価項目の見直しも必要となる。代表的なリッツカールトン、インターコンチネンタル等のラグジュアリホテルを見据えたバスタオルは機会があればレビューしたいと考えている。最近、六本木のホテルスタイルショップで見かけた「Micro Cotton」も高級志向で気になっている製品の一つでもある。
様々なバスタオルがある中で、低価格帯で気軽に手出しできるタオルを探している方向けに参考となれば幸いである。