
1. はじめに
私は情報処理・サービス業の会社に属する31歳のSEである。令和7年宅地建物取引士資格試験を受験し合格したため、合格に至るまでに行った学習経過等を振り返る。結論から、36/50で合格基準点である33点を上回った。なお、本試験は1回目の受験で完全独学であり、不動産経験がなく、法律学習経験もないゼロからのスタートからチャレンジしたものである。
徹底解説であるため、主に法科目の各区分においては実際に学習しながら工夫した点を具体的に記載することで、よくある「薄い単なる合格体験記」に留まらない内容を意識して記事を構成する。
- 1. はじめに
- 2. 受験理由、筆者スペック
- 3. 学習期間、教材
- 4. 工夫した点(民法)
- 5. 工夫した点(宅建業法)
- 6. 工夫した点(法令)
- 7. 工夫した点(税)
- 8. 工夫した点(その他)
- 9. 試験当日の所感
- 10. 情報処理技術者試験との違い
- 11. まとめ
2. 受験理由、筆者スペック
<受験理由>
①家を買おうと思ったため。賃借の取引等で不動産業界はぼったくりが横行する可能性がある業界であることを察知し、今後不動産売買の経験をする予定ならば、知識を得た上で取引する必要があったため。
②私が賃借人として、賃貸人との媒介をして貰ったことのあるハウスメイトショップ新越谷店の営業担当が良い意味で熱心で、担当から貰った名刺に「宅地建物取引士」と記載があり、その資格に異様に圧倒された経験があるため。
③仕事上、行政と関わる機会があり、国・都道府県・市役所における不動産関連の公務員の事務に浅くても良いので触れて理解をしておきたいという思いがあったため。
<筆者スペック>
理系出身で大学では情報工学を専攻し、国内SIerに約9年勤めた状態で本試験の受験を行った。当然に法学の経験なく、国家試験の受験においては情報処理技術者試験以外の受験経験がない状態である。
自身の国家試験受験履歴を以下に示す。受験は入社した2016春より開始している。
3. 学習期間、教材
<学習期間>
約6ヶ月。トリセツを基本とし、分野別過去問の演習にはアプリ「ノウン」での学習を継続した。学習時間としては、ながら勉強を行なってしまう特性上、正確な時間を示すことはできない。ゲームウマ娘の育成を行いながら分野別や過去問を解いている時間を含めれば、全体で約400時間となる。
基本的に、平日と日曜の夜は3時間ほど学習を行い土曜日は学習無のフリー日とした。宅建の1ヶ月前には草津へ温泉旅行に行くなどリフレッシュも欠かさず余裕の立ち回りを見せた。草津の湯畑にある光泉寺において、「宅建と行政書士合格」と書かれた第三者の絵馬が表向きに掲げられており、何故か書いてない私のモチベーションが上がるなどしたので、リフレッシュの中にも刺激を受けた点が見られた。

<教材>
・2025年版 宅建士 合格のトリセツ 基本テキスト
→初学者には分かりづらく、過去問演習で慣れてから見返すと深堀りできる。最初に棚田行政書士の単元ごとの解説動画(借地借家法、土地区画整理法)を見て全体像を把握してから、動画内で不足している部分を補うように使用。一方で、アプリで学習できる「ノウン」の存在や、冊子の1つでもある重要論点集は効率的な学習に繋がったり、暗記の確認等に使用できて良好。
・2025年版 宅建士 合格のトリセツ 頻出一問一答式過去問題集
→トリセツの分野別過去問題集で補えていない部分を補填する目的で使用。分野別過去問題集を数回まわしたあとに学習してしまったが、テキストを読んだあとに単元ごとに本書籍を活用した方が力がつく上に、効率的であったと後悔した。
・2025年版 宅建士 合格のトリセツ 厳選分野別過去問題集
→トリセツの中で一番利用した教材。各単元4-5周解いた。間違える問題・単元は自分が苦手である証拠であるため、テキストに戻って確認する等した。
・みんなが欲しかった! 宅建士の12年過去問題集 2025年度
→分野別過去問題集で培った基礎力を基に、自分が本試験でどれだけ通用するかを確認するために7月後半から8月中に使用。過去12年のうち、1周目で合格点を超えられたのは4年分のみであり、危機感を持った。
・2025年版 出る順宅建士 当たる!直前予想模試
→本試験の2週間前に突如購入し、最終確認の意図で使用。すべての回で合格点を出すことはできたものの、自分の弱点を再確認し、テキストに戻って確認する等した。
ちなみに模試は、自身の場合は宅建の知識が出来上がったと思われた9月後半から受験直前期に慌てて注文して解いた形となった。模試を受けるにあたり、過去12年の問題も全て解けずに全体を見渡せていない状態で模試を受けたところで受験効果はあるのか?という持論がある。自分の今の力量を知るという考え方で模試にチャレンジすることは結構であるが、そもそも目の前の基礎問題を完璧にしていない時点で、自分の力量は全く合格水準に満たしていないと考えるべきでもある。
余談ではあるが、上記の模試への考え方から知識が固まってきた一つの区切りとしてインターネット上のLECの0円模試を9月中旬に受けてみたところ、35点という結果で合格点は超えていたものの、宅建業法において報酬の分野で知識不足による失点をしたりするなど、基礎がまだまだ出来ていないということを突きつけられた形となった。
→過去12年分の過去問を解く際に、書籍だと出先で解けないため、サイトを利用。また、9月よりH12からR6までのすべての年で「自分が弱点だと感じた単元」を過去問演習で総流し。間違えた問題をノートにメモして繰り返し演習した。
棚田行政書士の不動産大学【公式チャンネル・宅建】 - YouTube
→借地借家法、都市計画法、35条書面、37条書面、盛土規制法などの暗記が多いものをすべて歌にする「覚え歌」は画期的であった。覚え歌の中には、解く順番も明示されていたり、テキストを読む手間が省けた。これにプラスし、私が自分で統計問題の覚え歌を作ったり、棚田先生の覚え歌に歌詞を付け加えるなどの工夫を行った。
法改正により、ボツになった歌や過去問で対応し切れない部分はある(例 : 非常災害時の応急措置は原則、建築許可不要だが都市計画事業の施行の障害となる恐れがあるものは許可が必要という考え方は覚え歌の丸暗記では対応できない。例2 : 単体規定の覚え歌は一部でまだ使用できる。次の動画の「避雷20超え」の歌詞からの一部は現在にも通用するため、切り取って利用することができる。https://www.instagram.com/reel/CC07XKWn3SW/)
このように、棚田先生に100%頼り切らず、自分でテキストと対面し向き合い、解法を自分で作り上げてアレンジする力がこれからの宅建に必要であると考えられる。
4. 工夫した点(民法)
①分野別過去問題集の演習
民法は、学習した5月から7月までテキストを読んだり分野別過去問題の演習に取り組んだが、善意悪意の意味、心裡留保、背信的悪意者などの用語の意味から理解することから始まった。テキストを読んだところで、全体の概要は大まかに把握することは出来たが、結局「第三者が善意無過失の場合は全て取消することができない?」「地上権、法定地上権、配偶者居住権、賃借権、使用賃借などの権利関係はいろいろあるが、結局何が違う?」「債権について本当に理解できているか?」等、テキストを読んだあとで各種用語間の対応付けが全く出来ない状態であった。
このような上記の用語に慣れるまで、分野別過去問題集を3周したところから徐々に対応することができた。以下の図は実際に私が分野別過去問題集に取り組んだ様子を表したものである。1周したときの日付は示しておらず、2周目からの実績日付をノートへ示すことを開始した。3周目からは、間違えた問題を番号で羅列し、あとから見直しできるよう記しておいた。結局のところ、民法の分野別過去問題集は5~6周したものと確認できる。

実績を見るに、何度も周回することで自身が間違えた問題は何度も間違えていることが確認できるようになった。これにより、自分の苦手としている知識が可視化され、その部分をテキストで重点的におさえるという立ち回りに繋がった。
分野別過去問題集を回していくにつれ、初回に正解したものが知識がついたことによって深入りし、誤答するという場面がいくつか見受けられた。また、督促状を送付したら相手に届いた時点で時効が当然に援用されるような旨の匿名掲示板のネットの投稿を勉強期間中に興味本位から見たおかげで、実は時効の完成猶予6ヶ月なので当然に援用はされないのに、当然に援用される選択肢を◯にして誤答するなど、あらゆる知識を入れたことで、初学の頃に感覚で正解できていたものが後になり通用しなくなる場面もあるので周回の際は注意されたい。
②AIを活用した暗記メモの作成と紛らわしい用語の違いの明確化
特に自身が苦手とする部分は、紙にメモしてトイレのドアに貼り、いつでも見られるよう工夫した。以下が実際に自身で作成してトイレに貼り付けていたメモ群である。ややこしい借地借家法の権利の違い、賃借権と使用賃借の違い等がおさらいできるようになっており、これらはトリセツの重要論点集から引用したり、ChatGPTで権利関係の一覧表を作成させて表に起こしたり、宅建ドットコムの過去問を解いていく中で分かりやすい表があれば写していつでも見られるようにした。
暗記メモを作成していくうえで注意した点として、「ハルシネーション(誤った情報)」が含まれないようにしたことである。権利関係と相続は密接に関わってきたり登記や抵当権までが絡んできたりと、学習していくにつれて混同してしまうことがある。その際は、テキストを基本として、ChatGPTやネットの情報を複数参照し、整合性をとった上で情報をメモに起こしていった。
結局のところ、宅建の民法は「抵当権と根抵当権の違いや連帯保証と連帯債務の違いについて理解している?」「賃借権と使用賃借の違い分かってる?その前提で期間の定めのない場合は貸主の正当事由どうなる?」等の内容を様々な選択肢として事例として文章化され出題してくる。事前に各種権利の内容が曖昧であれば、ハルシネーションに気をつけながらGPTに違いをまとめてもらい、理解を深めるという方法も取れるだろう。

③YouTube(棚田先生)の視聴と徹底的な過去問演習
その他、工夫した点としてはYouTubeにおける棚田先生の動画の覚え歌(区分所有法など)を覚えたり、借地借家法や抵当権の法定地上権の成立要件、連帯債務者に及ぶ効力、物上保証人の定義を2回以上は参照して知識を確実なものとした。特に、動画内で取り上げられていた連帯債務者の効力「SK2」は実際のR7試験問題の問9に出題され、正答することができ助かった。
しかし、ここまでしても民法の知識が完成することはできなかった。特に8月~9月で過去12年分の試験問題や宅建ドットコムの民法問題を解いていくと、いかに自分が「分かった気」になっているかが突きつけられた。特に、分野別紙問題集で間違えた問題は繰り返し解くことで正答できるものであるが、それは「間違った問題である」という前提で構えて問題に取り組んでいるからその場で正答できているのであって、不意に「物上保証人は消滅時効を援用できるかどうか?」「自働債権と受動債権の相殺において・・・」などが問われた途端に、「なんだっけ・・・?」となってしまった。
これを解消するために、9月中に宅建ドットコムの民法の過去問は条文問題以外ほぼ全て解くこととした。このおかげで、自身は自働債権と受動債権の相殺についてまったく分かっていないことが判明し、受験の2週間前に行政書士向けのインターネットサイトで上記を復習することができた。実際にはR7試験問題の問4において、悪意による損害賠償請求権を持った方が相殺できるというイメージを持つことができており、復習の成果が出て正答できた(過去問で出題されたものが再現された)。
5. 工夫した点(宅建業法)
①苦手分野の把握
免許や宅地建物取引士の分野は、簡単そうで奥が深く、自分が苦手とする分野であった。例えば、免許の住所は30日以内に変更の届出を出すところ、取引士証は遅滞なく出さなければならなかったり、登録の移転の申請は事務の禁止の間はできなかったり、細かい概念が引っ掛けられやすいポイントであることで、過去問演習においても苦戦した。
自身が苦手とする分野は報酬、罰則、宅地建物取引士の分野であったため、民法と同様に分野別過去問題集を何度も回しながら理解を深めていった。分野別問題は最終的に7周した。この後に行った8月の過去12年分の演習では、各年6問は失点する形となっていた。選択肢文の見落としで引っかかり失点したり、自ら賃借の定義(転貸を含む)が不足しており失点したり、最近の実問題を解くことで新たな発見があった。
②徹底的な過去問演習
分野別過去問題集だけで合格できたという合格報告は稀に見かけるが、自身は過去12年分と宅建ドットコムの全問題集で基礎を固めなければ、本試験に対抗することはできなかったと思われる。例えば、分野別問題集には載っていなかった免許に関する問題で「業者が免許の効力を失っても、効力を失う前から現在取引している案件は引き続き最後までやり遂げることができる」のような問題が出た場合があった。このような分かりやすい文章での出題はされないが、過去12年分の過去問を行う中で、分野別に掲載されていない細かい知識も、多くの過去問を通じて吸収できる知識がある。
また、本試験当日のパニック制御という点で過去問演習は有利となる。例えばR7本試の問43、信託の受益権に関する重要事項説明の有無が問われた際に、過去に見たことのある用語が並んでいる時点で選択肢についていくことは出来ていた。ほかのメンタルトレーニングとして、YouTubeにおける棚田先生のいくつの動画で「個数選択問題が出題された場合は立ち向かっていくメンタルが必要」という旨のアドバイスを繰り返し主張していることがあった。事前にそのアドバイスを認識していたおかげでR7の本試においては、個数選択問題の多さについて違和感なく問題を解き進むことができた。この辺りのメンタルトレーニングは、テキストには示されていないことが多く仮に示されていたとしても、わざわざ読み飛ばしがちで頭に入らないことが多い。
③自己流の覚え歌の作成
特に宅建業法で苦労した点は「新しいことを1つ学習すると過去に覚えたことがすっぽ抜ける」ということであった。ここで工夫した点は、できるだけ語呂合わせは使わないようにしたことである。トリセツに記載されている最低限の語呂合わせ「コーヒーどうっすか?等」は部分的に活用したものの、テキスト以外の知識は全て覚え歌で身体に定着させるか、多くの過去問を解くことによって知識を定着させた。例えば、37条書面の賃貸で記載不要な事項は、試験においても出題者が引っ掛けてくるポイントであるが、37条書面の棚田先生の覚え歌に対して一部アレンジを加え「〜引き渡し移転登記(賃貸)」など付け加えて自分仕様の覚え歌を作り込んでいった。
テキストと過去問周回だけでは太刀打ちできない宅建業法において、書籍をベースとしながら応用力を棚田先生で補完したことで、実際の本試で 機転が利いて正答できていったものと想定される。
④法改正の把握とアウトプット
R7は宅建業法において、特に免許替えの申請先、宅建業者が掲げる標識の項目、空き家の特例について法改正が目立った。これらはYouTubeで改正内容を確認し模擬問題でアウトプットを行った。実際には法改正の内容は本試でも出題され、事前に学習していたおかげでペースが乱れず、対応することができた。
6. 工夫した点(法令)
①覚え歌の定着と暗記メモの作成
法令では、テキストの都市計画法と建築基準法はほぼパラめくり程度で、気になる知識だけを見返した程度であった。重点的に行った工夫としては、棚田先生の開発行為の歌、日影規制の歌、用途地域の簡易歌、盛土規制の歌を覚えて、分野別過去問題集や宅建ドットコムの過去問をひたすら解いて自分の身体に定着させることであった。これらはテキストを読んだところで身にならず、法令の分野は解くプロセスを明確にしていれば得点できる問題が多い印象だったからである。
しかし、地区計画と地区整備計画の違い(必ず必要なものと努めるものの違い含む)、建築協定と民法の共有、区分所有法の作成/変更/廃止の人数の違い、建蔽率の緩和率(耐火建築物や特定行政庁が指定する角地のアレ)は、暗記メモに起こして徹底的に頭に入れておいた。
②引っかかりやすいポイントの整理
これらの過去問を解いていく中で難しいと感じたのは、特定行政庁は何でも出来るスーパーマンと思いきや、稀に令和4年問18のように、一定の空地がある場合に建蔽率の緩和が出来なかったり建築審査会の同意がなければダメだったり、何でも出来ると思い込んで、「特定行政庁」という単語が出たらとりあえず正解にするという脳死の解き方は出来ないことであった。
国土利用計画法、農地法、土地区画整理法はテキストで理解を深めながら過去問の演習を継続した。特に、国土利用計画法の事後届出と農地法第3条は、許可の有無で絡み合ってくる部分があるので混乱しやすいため、混同しないよう違いを明確にした。例えば、競売、贈与、抵当権の設定、調停、交換、時効取得、相続は国土利用計画法の事後届出と農地法第3条で微妙に届出の有無の取り扱いが変わってくる。なお、農地法については自分で問題を解く際に以下の図をいつでも描けるようにして農地法の理解に努めた。

しかしながら、最近の農地法はなかなか得点源にならない問題が本試で出題され、図を頭に入れたとしても別な用語が飛び交い、失点するケースがあるように思える。特に法令問題では、深入りせずにテキストに記載されている部分を丁寧に抑える「知識量の見極め」が特に重要である分野であると感じた。
③法改正の把握
法改正では、建築基準法において建築確認・検査の対象となる建築物の規模等の見直しがあり、階数2以上または延べ面積200㎡超の建築物は建築確認の対象となったことから、注意して過去問を読み解いた。逆に、これまでの建築確認の対象は木造の場合等で条件が異なっていたため、統一化されて分かりやすくなり良い法改正であった。その他、農地法の細かな改正があったようだが実際に調べてみるとマニアックな内容であったため、深堀りする点とそうでないところを明確に分けて対応した。
7. 工夫した点(税)
①宅建試験ドットコムのH12~R6までのその他問題をすべて総流し

分野別過去問題集で学習していると、不動産取得税が10万、23万、12万で固定資産税が30万、20万…という暗記をすることになるが、途中からごっちゃになってくる。また、所得税が1番難しく軽減税率と住宅ローン控除が併用して使える組合せを暗記したり、譲渡所得の条件がややこしく、様々なパターンの問題で慣れる必要があり分野別問題だけでは対応しきれない。
従って、宅建ドットコムの過去問を全て解くこととした。解く上で様々な問題に慣れるほか、固定資産税や不動産取得税がどこの管轄(市、都道府県、国)であるかも意識して学習していった。解いていくと、固定資産税や所得税の引っ掛け問題が多く誤答してイライラした。
他の分野と方針としては似ているが、税法においても「今覚えている暗記物を身体に定着させ、他の分野と何が違うのか明確にし、その違いを言えること」が最優先で、これを達成するために過去問を解きまくるイメージであった。
8. 工夫した点(その他)
①宅建試験ドットコムのH12~R6までのその他問題をすべて総流し
→分野別問題集で分かった気になっていた部分が、全く分かっていないと気付ける。特に、「直線距離で50m・300mの用途別」、「道路距離と徒歩所要時間は同時に書かなくても良い?」、「過去の販売日・値下げした日の示し方」、「台地・自然堤防・丘陵の特性」、など叩き込むべき要素は意外と多い。また、一部の住宅金融支援機構の譲受の対象部分で、捻った問題が出ると誤りやすい。

②統計問題の覚え歌作成(ウマ娘の「走れウマ娘」のメロディから歌詞を作成)
統計問題は毎年1問出題され、宅建の統計問題に対する対策サイトはいくつか見受けられる。しかし、眺めたところで他の分野の記憶を維持しつつ、数字を含めて頭に入れることは負担となった。
従って、覚え歌を応用して自分で統計問題対策の覚え歌を作成した。統計の内容的にボリュームが多いことから、趣味のウマ娘である「走れウマ娘」を元ネタとし、あらゆる要素を歌詞に詰め込むこととした。ここまでやる必要はあるのか?という疑問はあるが、捻った問題が出たら試合終了であるし、免除科目の1点は非常に重いため、確実な手法をとったところ。
以下は歌詞となる。もとの歌詞では、「これから始まる大レース」の序盤に相当する部分から替え歌を開始。https://www.youtube.com/watch?v=8Rw5tbl5Wfc
新説住宅着工戸数 3.4(%) 5.2(%) 2連減
持ち 賃 分譲 マン 一戸 3,2,2,2・・・ 連続減
地価公示 全国平均 全 住 商 4年上昇 工業9
三大都市 全国平均 4上昇 工業地は11(年) 8(年)
(引き続き、もとの歌詞の「スタートダッシュで出遅れる」から替え歌を開始)
土地取引数ほぼ横ばい (132!
不動産の売上 2年ぶり (増加!
経常利益も2年ぶり 利益率は4年連 (増加!
業者数 13万 10年連
取消処分だけ増加
森林 農地 宅地 道路 197万ヘクタール
実際にR7問48の統計問題に替え歌を当てはめると、「持ち 賃 分譲 マン 一戸 3,2,2,2・・・ 連続減」の部分が完全にヒットし、以下が正解と判定できた。
建築着工統計調査報告(令和6年計。令和7年1月公表)によれば、令和6年の新設住宅着工戸数は、持家、分譲住宅のいずれにおいても前年に比べ、減少した。
以上の演習を徹底したことで、試験当日の免除科目は5点満点で正答することができた。
9. 試験当日の所感
①全体所感
結論から、自己採点したところ、36/50で合格圏内であった(民法10,業法16,法令4,税1,その他5)。
会場は異様に冷風があり、上着を要した。受験者は老若男女で、宅建の人気の高さが伺えた。
問題に関しては、宅建業法から始まる問26からマークを開始することとした。問26から始める受験者を想定し、出題者はいきなり難しい問を投げかける傾向にあることを過去問から察知していたので、報酬の個数選択問題に面食らうことは無かったが、結局その問は賃貸の報酬に関する勉強不足で誤答した。宅建業法の問題を進める中で、異様に個数選択問題が多いと察したが、問われている難易度としては標準的で途中で実務を知らないと解けない問題(ビラ配り中に従業員証明書を携帯しなければならない)があり、その辺は苦戦した。
②問題内容の所感
民法は、難易度は若干優しめな傾向があり、一見戸惑う選択肢がありながらも明らかに違和感を覚える選択肢があることで自信を持って回答できるものがある問がいくつかあった。また、LECの出る順模試の民法から瑕疵担保責任の11年(時効)に関する問題が的中されて出題していたり、模試に救われた部分もあった。一方で、自身の苦手分野であった区分所有法でケアレスミスの誤答をしてしまったりと悔しい点も見られた。
法令・税は、試験当日は解けたと感じたが、自己採点すると引っ掛け問題に引っかかりまくり、過去問や模試である程度正解できていた問を落とすなど残念な部分が多かった。しかし、受験者全体から見ても法令・税は正答率が低く感じられ、今回の合格点下落の要因になったものと想定される。
全体的には、民法がやや優しくなった分、法令・税で振るい落としにかかり、業法の基礎が出来ていない者を叩き落とすスタイルの受験年だったように想定される。
③誤答した問題の反省
以下、間違えた問題14問に関する反省。
問3 意思表示に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。
→個数選択問題。2つにして誤答。正解は3つ。仕方なし。
問6 Aが所有している甲土地についての物権変動に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
→1か2で迷い2にして誤答。50%選択ミス。正解は1。LECによると、問6、問7は非常に難しいとされていたので仕方なし。
問7 Aは自己の所有する甲建物を事務所としてBに賃貸し(以下この問において「本件契約」という。)、その後、本件契約の期間中に甲建物の屋根に雨漏りが生じたため、CがBから甲建物の屋根の修理を請け負い、Cによる修理が完了した。この場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
→もはや得点させる気のない捨て問。LECによると、問6、問7は非常に難しいとされていたので仕方なし。
問13 建物の区分所有等に関する法律に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
→規約共有部分しか管理者は取得できないという過去問からの固定概念で単純に1にして誤答。さらに、議事録には議長等の署名のみで押印は不要という過去問からの固定概念で「集会に出席した区分所有者全員」という選択文を見落とす決定的なミスで引っかかる。これは正答したかった。
問18 次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
→どうせ面積は出ないだろうという演習不足によるミス。さすがに一中に1000㎡の飲食店は許可されるだろうと思ったところ、二中からであった。暗記メモに含めていただけに、演習・暗記不足としか言いようがない。
問19 宅地造成及び特定盛土等規制法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市及び中核市にあってはその長をいうものとし、地方自治法に基づく施行時特例市に係る経過措置については考慮しないものとする。
→「又は」で引っ掛けていることは分かった。2か4だろうとは思ったが、4にして誤答。50%選択ミス。仕方なし。
問21 農地に関する次の記述のうち、農地法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、誤っているものはどれか。
→今年の農地法は難しいらしい。300万以下の罰金刑に違和感はあったものの、チャレンジできず。仮登記だけではなく、仮設工作物まで出してきて農地法は得点源になりにくくなっている印象。仕方なし。
問22 国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
→賃借権は事後届出対象という過去問からの固定概念。担保の競売は事後届出不要らしい。仕方なし。
問23 土地の売買による所有権の移転登記等に係る登録免許税の税率の軽減措置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
→しらん。仕方なし。
問24 固定資産税に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
→実務をやっていなければ殆どが選択肢3で引っかかる。選択肢2と迷ったがチャレンジできず。仕方なし。
問26 宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)及び宅地建物取引業者B(消費税課税事業者)が受領した報酬に関するアからウの記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものを全て掲げたものは1から4のうちどれか。なお、代理、媒介に当たり、広告の依頼は行われていないものとする。
→選択肢アで「賃借の媒介は事業用の権利金がある場合でも2倍して良いんだっけ?」と迷ったのが運の尽き。選択肢2にして誤答。空き家問題は必ず出ると踏んで対策していただけに、思わぬところで足元をすくわれ、演習不足を実感。
問31 次の記述のうち、宅地建物取引業法により禁止されている行為が含まれているものはいくつあるか。
→実務をやっていないと分からない問題。ビラ配りに従業者証明書いるんすね。へー。仕方なし。
問42 宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。なお、この問において、宅地建物取引士は、事務の禁止の処分を受けていないものとする。
→勤務先の名称は怪しいと思ったがチャレンジできず。名称変更時は書き換え不要らしい。届出の対象を問われたことはあるが、書き換えの有無まで問うてくるようになったか、という印象。
問43 宅地建物取引業者が行う宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
→過去問で相手が投資家だったら重要事項説明不要というものがあったが、交付はいるのでは・・・?ということでチャレンジできず。難問とされているので仕方なし。
試験後の反省として、知識は完成されていないことを実感した。もう少し突き詰められていれば、+2点の38点で最安全圏にいられたと思料。宅建業法は過去問の演習でも4点は失点し、ケアレスミス1点を失点していたので、本試でも業法4点失点とケアレスミス1点をいつも通り失点した形となった。ただし、個数選択問題が多い中で失点を4点に留めたことや、受験者が惑わされている状況の中でもいつも通りの自分の受験スタイルで試験を終えられたことは自身を評価したい。
自己採点した際、問30は解答が割れていた。TACで自己採点したところ35点で絶望した記憶がある。その後、LECや日建の採点で36点となったが、例年だと36点は安全圏ではなく改めて絶望した。しかし、今年は難化により合格基準点が34点というツイートを見掛けて「やっぱり個数選択多いからそうだよね??」という気持ちになり、安堵するなど本当に心臓に悪かった。
全体を振り返れば、本当に当日は戦争状態であった。しかし蓋を開けてみると合格点が例年より低く、しかしながら自身の解答において何かが上振れたのかもしれない。一定の実力はあったものの、最終的には運が向いたという感想しかない状態である。
10. 情報処理技術者試験との違い
宅建を受ける前から、情報処理技術者試験に何度も受験したきたが、文化の違いについて様々な発見があった。
①宅建は解答用紙に受験番号が印字されている
宅建でマークシート用紙が配布されるが、その中に既に受験番号とマークシートへの印字が初期で入っていることに驚いた。情報処理技術者試験では、全て受験者の責任において記入するよう案内され、仮に誤った受験番号を記載すると採点されない場合があったり、選択欄に丸をつけないと採点されない。対して、宅建は最初から受験番号が印字されていたり、氏名を書き忘れたとしても救済措置はあるとの事例がインターネット上にあったので、こうしたヒューマンエラーを未然に防ぐ手段として、宅建では受験者に優しい取り組みをしている印象であった。
なお、情報処理技術者試験もR8よりCBT試験に移行するので紙の記載はなくなり、今後少しは受験者に優しくなるかもしれない。
②宅建の試験案内人が異様に優しい
会場周辺につくと、試験を案内する黒服の運営者が立っており、受験者にお辞儀をしたり会場の場所の案内について積極的に声掛けをしていたりするなど、受験者への配慮が見られた。一方で、試験を管轄する試験官はサバサバしたスタイルで、椅子に荷物を置いている受験者などをきっちり指導していた。
情報処理技術者試験も、複雑な会場では黒服の案内人が立っているが、試験区分ごとへの周知が基本で積極的な声掛けも少なく、座席への案内も基本的にない。情報処理ということで、自分でなんとか出来るでしょスタイルで我々は実施されてきたことを体感した。しかしこれもCBTに移行するにつれ、なくなる文化である。
宅建と情報処理技術者試験の試験委員の違い
— うまうま (@umauma2010) October 20, 2025
宅建「席の場所分かりますか〜?」
情処「受験票①と②は自分で切り離して置いといてください」
③宅建の受験申込サイトでの顔写真登録がデータ受付
宅建では受験の申込時に氏名や住所を登録するついでに、顔写真をデータで登録するフェーズがある。しかも、スマホで撮った顔写真をアップロードすると画像処理で顔以外の背景が白で塗られるハイテクさである。受験当日の本人確認は試験官がその受付た顔写真データをもとに照合を行っており、システムが洗練されていた。
一方で情報処理技術者試験は氏名、住所、受験区分の登録くらいで顔写真は自分で印刷して当日までに糊で貼り付けて提示するタイプである。
宅建はデータ処理のため顔写真代が無料、情報処理試験は印刷代で有料で手間がかかる部分があり、大きな違いがある。しかし、情報処理試験はCBT化でこの点もどう変わるのか注目したい。
11. まとめ
今回は、未経験ながら宅建を初めて受験し、合格に至るまでの学習法や当日の所感等を述べた。学習法が手探り状態ながら、あらゆるリスクを想定し日々学習を継続したことで、当日に実力を発揮することができた。
全体的に、以下のことを徹底して学習を進めたことで、身になる勉強が行えたものと評価する。
・過去問丸暗記を行わないこと(毎度問題文を読んで一から解くこと)
・覚えるべき事項は歌にして定着させること
・過去問によるアウトプットを基本として身体に法を染み込ませること
・曖昧な用語は違いを明確にして洗い出すこと
・間違えた問題はいつまでも間違えることを意識して繰り返し演習すること
・覚えるべき事項はトイレに暗記メモを貼り付けるなど見返す努力をすること
次年度は権利関係の分野において、区分所有法の改正が大きく取り上げられている。宅建に合格したとしても、不動産関係の情報収集は継続して実施していきたいと考えており、今後も法改正には対応していきたい。しかしながら、業務で不動産を取り扱うことはないため、コストを掛けて宅建士登録することまでには至らないと思われる。習得した知識を今後の住宅購入や、自治体支援業務の一部に取り入れ活動していきたい。
未経験ながら宅建を目指す方や、今後宅建を受験する予定の方に対し、情報提供ができれば幸いである。

















































































