1. TH900mk2の導入
現在、自宅ではT1 2nd generation、SR-009、HD650とそれぞれ個性のあるヘッドホンを使用している。今回、これらの個性あるヘッドホン以外にも違った目線で音楽を聴きたいと思い、TH900mk2をオーディオシステムに組み込んだので他のヘッドホンとの比較を交えながら簡単にレビューする。
2. 再生環境
当ブログで馴染みのある以下の環境で再生を行った。今回は、TH900mk2をP-700uへバランス接続した。
3. 音質
TH900mk2は音が透き通っており、非常にクリアな音を出してくれる。また、低音がズシズシ鳴る。よくドンシャリ系と例えられるが、実際に聴いてみて確かにそのような鳴り方をする。従って、高域は伸びるし耳に突き刺さってくる印象を受ける。
意外にも、TH900mk2の後にT1 2nd generationやHD650を聴くと、音自体について「篭ってる」印象を受けてしまった。言い換えれば、TH900mk2はそれだけ音が綺麗にクリアに出ているということだろうか。
音の広がり方は密閉型をうまく利用しているのではないかと思うくらい、広大である。ハウジングの中で音が反響しているのか分からないが、余韻のある上品な音場を提供してくれる。
ボーカルは少し離れた場所で聴いている感覚だが、そんな遠くにいる印象でもなく、あくまでも背景の音楽が全面に押し出されている感覚である。
4. 各ヘッドホンとの違い
今回は、低音とボーカルと音場の3つの項目で比較を行う。高域はボーカルにまとめている。なお、全てバランス接続で聴いたものとする。
低音 | ボーカル | 音場 | |
---|---|---|---|
TH900mk2 |
スタジオの中でドラムの近くで聴いているような低音が出る。「ドォン...」「ドゥツ」とか |
少し離れた箇所から声を聴いているような感覚。高い音に関してはシャンシャンする。 | SR-009よりやや上回っている感覚。ソースを選ばず反響したりする。 |
T1 2nd |
比較ヘッドホンの中では控えめ。淡々と。「ドンドン」「ボーン」とか |
最も近くで声を聴いている。背景の音はボーカルより一歩引いたところで鳴らしている感覚。 どんな高域でも鳴らせそうな印象で力強く、最も特化。 |
標準的な音場。ソースによって伸びるところはしっかりと伸びる。 |
SR-009 | 高品質な低音でバランス良く出る。「ダァン」「ドゥン」とか | やはりバランスが良く、どの音楽でもクリアで上質。完成されている。高域は高いほどキラキラしている。 | コンデンサ型の特徴らしく、常に気持ちよく開放的な音が出る。 |
HD650 | 厚みのある深めの低音が出る。「ボンボン」とか | 標準的。近すぎず遠すぎず、リファレンス的な存在。 | T1 2ndほどではないが、ソースによって反響している。こちらも標準的。 |
※ヘッドホン自体の付け心地としては、TH900mk2 > T1 2nd > SR-009 > HD650の順。眼鏡あり。
※ヘッドホンの気軽さとしては、HD650 > T1 2nd > TH900mk2 > SR-009の順。
HD650は電子ピアノ接続用としたり映画鑑賞用としたり、様々な場所で活躍できる。メンテも行いやすく、あまり気を使わないところが良い。
5. まとめ
TH900mk2の音質についてまとめ、各ヘッドホンとの違いについても表で示した。密閉型ということで少し敬遠していた部分もあったが、実際に聴いてみると味や個性がよく感じられた。エージングで高域が少し落ち着いてくれると、自分の中では使用機会が増すと思われる。また、TH900はハウジングに傷がつきやすいところに気をつけていきたい。
今後も引き続き、オーディオテクニカの新作ハイエンドヘッドホンであるATH-ADX5000や、LCD-4などのハイエンド製品に目を向けていく予定である。