1. はじめに
2019年の秋頃に、Amazonは高音質ストリーミング配信の「Amazon Music HD」のサービスを開始した。
自身は、Amazon Music HDに利用登録を行い、実際に自宅の環境で様々な音楽を試聴した。今回は、本サービスを約三ヶ月以上使用してみて、感じたこと(メリット・デメリット)を示す。なお、Amazon Musicには「Prime / Unlimited / HD」があり、今回述べるサービスは高音質に特化した「HD」となる(Prime / Unlimitedは音質に特化していない)。
2. Amazon Music HDサービス形態
Amazon Music HD | 高音質ストリーミング配信
Amazon Music HDはプライム会員の場合は月1,780円、通常ユーザの場合は月1,980円で様々な音源をCD音質または、ハイレゾで音楽を聴くことが出来る。また、PCやモバイルにも対応し、手軽に音楽を楽しむことが出来る(30日間無料体験可能)。
所謂、CD音質がHDで、ハイレゾ音質がUltra HDと定義されているようで、全てがUltra HDという訳ではなく、HD音質とUltra HD音質が混合して様々な楽曲を扱っているということになる。今回は、PC版Amazon Musicアプリをダウンロードし、その音質を自宅の環境で確認する。
なお、Amazon Music HDは排他モードにも対応した。安定動作に課題が見られるが、高音質化の為に更に造り込まれていくことが期待できる。
3. PC版Amazon Musicの簡易概要
比較的最近の楽曲はUltra HDに対応し、ハイレゾで曲を聴ける。楽曲によっては歌詞を表示できるため、歌詞を見ながら一緒に熱唱することが可能。楽曲をダウンロードすることで通信量を削減しオフラインで再生することが可能。
Amazon Music HDにおいてもメジャーな楽曲は取り扱われている。初代ラブライブもサンシャインも...。また、これらもHD音質。自分んでプレイリストを作成したりと、基本的なツールは用意されているように見受けられる。
4. 試聴と感想
Amazon Music HDは以下の構成で試聴を行った。なお、PCのローカルにAmazon Musicをインストールし、Amazon Music HDを起動した上でPCからDA-06へUSBで接続した。再生ヘッドホンはFocal Utopiaを使用した。
HD音質とUltraHDの音質の両方を再生した。音質はFoobar2000のような繊細さでカッチリした感じというよりかは、中性的で淡々と鳴っているイメージである。音の臨場感の音楽表現はローカル音源をRoonで鳴らす方が上手いと感じた。全体的には、これまで聞いていた音源から音が激変したという感じはなく、「まあこんな感じだよね」という認識を持っている。Amazon Music HDのメリット、デメリットを挙げると以下のようになる。
<メリット>
・日本のメジャーな楽曲に取っ付きやすく、ある程度の音質が確保されている。
・どんどん新たな音楽に触れていきたい人には楽しめる。
・ストリーミング配信としては今後の機能拡張性も臨める。
・据え置きに限らず、ポータブルでも対応機種であれば手軽に高音質を楽しめる。
<デメリット>
・ストリーミングに際し、データ量が多くWiMAX契約の場合、速度制限になりやすい。また、速度制限が掛かると音楽再生中に途中で止まる。
⇒よく聴く曲はダウンロードしオフラインでの再生をおすすめするが、新しい音楽に触れてどんどん再生していきたい人にとっては要注意事項。
・音源を媒体に保存して聴く人(同じ曲を繰り返し何度も聴く)にとっては、高音質のストリーミングサービスを利用するよりかは、TSUTAYA等でレンタルをして個人利用として音源を保存したり、ダウンロードサイトでハイレゾ音源を購入して保存する方が適している。
自身の場合は、どちらかといえばPC内に保存している音源を繰り返し何度も聴く派なので、ストリーミングサービスはあくまでも「補完」として利用している。レンタルが面倒な場合や、何気なく聴いた曲が高音質で聴きたくなった場合は、Amazon Music HDを利用すると楽しめる。また、Amazon Musicは過去に聴いた曲をもとに他の曲をオススメしてくれたりもするので、気になった曲を試しに聞いてみて「これはいい」と思う新たな発見があるのも醍醐味と感じる。
5. まとめ
今回は、実際にAmazon Music HDを三ヶ月以上使用してみての感想を述べた。音楽ストリーミングサービスはApple Music、Spotify、mora qualitasなど様々なサービスがあるが、私は日本の音楽を高音質で最低限楽しむのであればAmazon Music HDが安定だと思っている。総合すると、価格的にもAmazonが優位であり、なにより取っ付き易さも良い。あくまでもストリーミング再生であるため、ハイレゾ同士の音質比較はどこのサービスが良い等は一長一短で比較しだすとキリが無くなってしまうと思われる。であれば、UI、安定性、各サービスが得意としている音楽ジャンルなども考慮した上で利用するサービスを決定すると良いと考えられる。
なお、各サービスには無料体験期間も設けられているため充分に使用感を堪能してから、自分にあったサービスを発見することが望ましい。