おうまさん

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秋のヘッドフォン祭 2019に行ってきた(簡易報告) -STAX SRM-700S、SRM-700T、DALI iO 6などを試聴

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1. はじめに

秋のヘッドフォン祭 2019でハイエンドヘッドホンやアンプを試聴した。個人的に興味のある比較的新しいヘッドホンについて実際に試聴が行えたので、本記事では「試聴したハイエンドヘッドホン」の紹介と、「聴いた際の印象」を述べる。

なお、静かな会場や上質な電源環境で試聴したわけではないため、多少の認識の違いや個人の捉え方についてご了承いただきたい。

なお今回の祭はヘッドホンの新作は控えめで、基本的にはイヤホン等のポタ機の新作が多く登場した印象がある。特に、ワイヤレス市場はより活発化してきていると感じた。自身としては、ハイエンドヘッドホンをターゲットに構築を行っているため、本記事でのポタ機の感想は控える形となる。従って、いつもの報告よりかは簡易的な報告に留める。

 

 

 

2. 試聴ヘッドフォン・アンプラインナップ

2019年秋のヘッドホン祭で試聴したヘッドホン、アンプは5つある。

SRM-700S

SRM-700T

SRM-T8000

DALI iO 6

・RAAL-requisite SR1a

 

3. SRM-700S

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  いつもの如く、STAXブースに立ち寄る。今回は新作のSRM-700SとSRM-700Tが発表・展示されるとのことで早速試聴を行った。

 SRM-700Sは、半導体式のSRM-727Aの上位に位置づけられるものと認識している。前面のフロントパネルはSRM-T8000と酷似しており、中身の部品もいくつか高品質なものとなっている。違いが特徴的なのは、バイパス機能をオンにするためにわざわざ蓋を開けてスイッチを切り替える必要がなくなったことである。入力端子を接続する背面にバイパス機能のオンオフスイッチが設けられたことで、便利になった。なお、このバイパス機能はSRM-700Tにも入っている。SRM-007tAにはこの機能は無かったため、半導体真空管ともにバイパス機能が付加された形となる。

 試聴にあたり、SR-009とSRM-700Sを使用した。入力は写真の通りXLR入力である(バイパスではない)。全体的に滑らかでS/Nが良いのが印象的だった。冷たい感じは特に感じられず、輪郭もしっかりしておりSTAXの音は継承されていることを確認した。自身の環境では、LUXMAN C-800fとSRM-727Aをバイパスで接続しており、帰宅後に音の違いを確認すると、SRM-700Sには「爽やかさ」があったなあ、と感じることがあった。自宅の音はC-800Fで中低域が強調されているため、勿論違いはあるが、その要素を差し引いた形でも、もう少し上品なサラサラ感がSRM-700Sにあったと感じ取ることができた。

 また、SRM-727AとSM-700Sの発熱の違いについても気付くことができた。SRM-727Aは長時間稼働していると前面のパネルや排気口周辺を触ると「熱い...」と感じてしまうが、SRM-700Sでは「あったかい...」と感じた。15秒ほど手で触っても苦にならなかったため、この辺はSRM-T8000のようなイメージに近いのかもしれない。

 音質については好みの世界となりそうだが、バイパス機能含めた試聴が今後できればとも考えている。

//------------------2019/11/9追記-----------------------

ヨドバシさいたま新都心で再度試聴した。

  今回は、PCをソースとしてRCA入力で詳細に比較試聴をじっくり行うことが出来た。試聴曲は宇多田ヒカルの「time will tell」。SRM-727ASRM-700S、SRM-T8000をいずれもSR-009で試聴した。

 SRM-700Sの後にSRM-727Aを試聴すると、若干のノイズ感が気になった。従って、SRM-700Sがより静寂感が増し、S/Nが高くなっていることが伺えた。SRM-700Sの解像度も良く、ドラムの音は耳にダイレクトに訴えかけられると共に、右chから左chへ音が流れる箇所は鋭く表現されていた。SRM-T8000はSRM-700Sと比較すると、より音の立体感が生まれ、音が湧き出ていく感覚に包まれた。しかし、SRM-700Sほどではないものの、やや半導体らしいカッチリとした音も出ており全く特性が異なるというわけでもなかった。どちらかというとSRM-T8000はSRM-700S側に似ているが、極度な半導体のダイレクトなしつこさは出さず、音数の違いや立体感でうまく差別化が図られている印象を受けた。

 SRM-727AとSM-700Sの発熱の違いは今回も感じられた。部屋の温度によるかもしれないが、ヘッドホン祭よりパネルが熱くなっていたが、それでもSRM-727Aより熱くはなかった。実際に排熱も考慮されていることを伺った。

//------------------2019/11/9追記-----------------------

4. SRM-700T

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 SRM-700Tは真空管式のものである。SRM-700TとSRM-700Sの構造的な違いはまず、POWERのランプがオレンジ色になっている点である(SRM-700Sは青色)。

 音質はSR-009で聴いたところSRM-T700Sと似たような感じであるが、多少音のボリューム(臨場感)があり、聴きやすい印象をもった。正直、SRM-700SとSRM-700Tは離れた場所にあったため同じ曲で比較試聴することが困難であった。従って、11/9(土)10(日) 12時~17時に実施される予定のヨドバシさいたま新都心でのSATX試聴会で再度、音質を確認しようと考えている。

 ちなみに、SRM-700Tも発熱量が抑えられている感じはした。ヨドバシ秋葉にある試聴機のSRM-007tAを触るたびに、「熱っ!」と感じ、注意書きまでされている程ではあるが、SRM-700Tの真空管上部を触っても、物凄い高温にはなっていないことに気付いた。この点についても再確認したいと考えている。

 最終的に、SRM-700SとSRM-700Tを試聴した後にSRM-T8000を試聴したが、はっきりと音の違いは感じ取ることができた。SRM-T8000は情報量が多く艶が乗っていると感じた。どれを選択するかは悩みどころとなるが、改めてSTAXのアンプについてはもう一度再考する必要がありそうである。

//------------------2019/11/9追記-----------------------

  こちらもヨドバシさいたま新都心で試聴。同様に試聴曲は宇多田ヒカルの「time will tell」。SRM-700T、SRM-700S、SRM-T8000をいずれもSR-009で試聴した。SRM-700Tはどのドライバーユニットよりも低音が深く沈み込んでおり、曲自体を味のある雰囲気に丸めて感情豊かに表現されていた。

  こうして聴いてみると、SRM-T8000はSRM-700SとSRM-700Tの良い所取りをしていると再認識させられる。しかし、SRM-T8000はどちらかといえばSRM-700S寄りであり、感情いっぱいに音を表現したいのならば、SRM-700Tが最も適しているのではないかと考えた。特に、SR-009SとSRM-700Tとの組合せは面白そうだと感じた(009Sは009よりも音が柔らかく、音場も付加されて音が柔らかくなっている為)。

 自宅のC-800f→SRM-727Aの構成でも、SRM-700Tのような空間を再現するのは困難である。なお、SRM-700SとSRM-700Tの違いについては、SRM-727ASRM-007tAと同様な違いという認識で良さそうである。

 こちらも、SRM-700Tの発熱としては真空管の上部パネルを指で触れても普通に触れる程度であった(SRM-007tAは高温だった記憶がある)。

//------------------2019/11/9追記-----------------------

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STAX試聴すると記念にもらえるグッズ。今回は黒。粗品が増えていく

 

5. DALI iO 6

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 DALIから参考出展のヘッドホンがあるとの情報があり、試聴した。左側のキャラメルホワイト色がDALI iO 6であり、ノイズキャンセリングを備えているもので5-6万。右の黒色がDALI iO 4で3-4万らしい。

 音質自体については、情報量という点では数十万のヘッドホンと比較して少ない部分はあるものの、非常にクリアで低音も程よく反響して聴けるものだった。外見のデザインはULTRASONEを彷彿とさせるものがあるが、おしゃれで良いと思う。

 

6. RAAL-requisite SR1a

今回の感想もこの記事の通り。

 

 

7. おまけ

 LUXMAN機器で構成している身としては気になる情報があり、LUXMANが新たなフラッグシップSACDを発表したようで、D-08uの後継と思われるD-10Xが登場したようである。ヘッドホン祭でその姿を確認することは出来なかったが、ブースの方に確認させていただいたところ、発売は来年辺りというお話を頂いた。外見は、D-08uとは異なり全体的に角張ったデザインとなり、フロントパネルはES-1200を意識した部品が使用されている。最近、ハイエンドの機器更新が無かっただけに今後の新製品に期待。

 

8. まとめ

 今回は、2019秋のヘッドホン祭で試聴したヘッドホン・アンプと、試聴した際の印象についてそれぞれ述べた。ポタ機の新製品が多く、試聴内容が数少なくなってしまったが、2020年春のヘッドホン祭で新たなヘッドホンに出会えれば良いと感じている。

 

 

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