1. はじめに
自身は自宅でFocal Utopiaを運用しており、これまではSTAXのヘッドホンスタンドにUtopiaを掛け、その上にカバーを掛けて保管を行っていた。Focal製品の代理店がLUXMANになる前にUtopiaを購入していた影響で、Focalのヘッドホンスタンドがあること自体は知っていたものの、個人輸入での購入が必要な状態が続いており、純正ヘッドホンスタンドの入手が遠のいていた。近年、通常のオーディオショップでもFocal ヘッドホンスタンドを取り扱う店が増えてきたり、スタンドとヘッドホン本体をセットで販売というケースも増えてきて、一般的に購入・使用されるようになってきた。
今回、私もその波に乗りようやくFocal Headphone Standを購入できたので、他のヘッドホンスタンドと比較しての使用感、雰囲気、音質の変化を共有する。
2. Focal Headphone Standの構造
合成石の土台とFocalロゴを連想させるステンレススチール素材の柱部分、頂点のFocalのロゴはレーザー彫刻が施されている。構造自体シンプルだが、さりげない佇まいで高級感があるため玄関等に置いても普通にオブジェとなりそうでインテリアとしても使用できそうなものとなっている。
納品時は、Focalのダンボールに包まれて到着する。
開封するとヘッドホンスタンドがプチプチに包まれている。
構造の図には記載がなかったが、合成石の土台の下には滑り止めが設けられている。土台はツヤがあり、光を反射して高級感がある。
実際にFocal Utopiaをヘッドホンスタンドに載せる。Focalのヘッドホンとは相性が抜群である。STAXを掛けているオーディオテクニカの「AT-HPS550」とヘッドホンスタンド自体の重さを比較すると、AT-HPS550の方が重い。これは、AT-HPS550の土台が木でできているというのと、素材がアクリルやスチールで構成されているためである。AT-HPS550と比較し、Focal Headphone Standを実際に手に持った感想としては「意外に軽い」ことだった。移動の際も簡単に持ち運べるが、ベースはしっかりと出来ており簡単に倒れるということは無い。
Focal Headphone Standの構造上、イヤーカップが斜めの形状でそんなにグラグラ動かないヘッドホンであればFocalのヘッドホン以外にも掛けられることは出来そうである。イメージとしては、単にヘッドホンスタンドにヘッドホンを載せて吊るす形となるため、イヤーパッドはスタンドに触れない。例えばゼンハイザーのHD650やHD660S等のヘッドホンや、ULTRASONE、オーディオテクニカなどとは相性が良いのでは?とも思っている。FOSTEX、Final D8000系、meze empyrean、Vivtor HA-WM90-Bはギリ行けそうな気もする。個人的にはEmpyreanとの相性に期待したい。反対にHiFiMAN、STAX、beyerdynamic T1系のように、イヤーパッド同士がくっつく前提の形状だと、あまり相性は良くないかもしれない(STAX SR-007Aならいけるかも?)。
3. 他ヘッドホンスタンドにおける使用感の比較
特にメジャーでよく使われているヘッドホンスタンドをピックアップし、Focal Headphone Standとの使用感の比較を述べる。
FOSTEX ST300は全体が黒で、上から吊るすタイプのヘッドホンスタンドである。木製で出来ており、意外と重い。どのヘッドホンにも相性が良いためFOSTEX意外で運用しているユーザも多くいる。適当に載っけられるため、Focal Headphone Standのように気を使わなくて済む。安定性はFocal Headphone Standがよい。
なお、FOSTEX TH900mk2(SB)には専用のヘッドホンスタンドが付属しており、こちらはケーブルを巻けるよう突起もついている。ST300より若干おしゃれ。
STAX HPS-2は天然木で、製品によって木目が異なり和を感じさせる商品である下にはコルクで滑り止めが施されており、安定性もよい。どのヘッドホンでも運用でき、Focal Headphone Standを導入する前はこのヘッドホンスタンドを使用していた。Focal Headphone Standより気楽に扱える。安定性はFocal Headphone Stand。なお、STAXのヘッドホンカバー「CPC-1」は高級ヘッドホンにおいて使用しておきたい一品。どのヘッドホンスタンドの上から掛けることができ、Focal Headphone Standにも適用可能。現在運用中。
オーディオテクニカ AT-HPS550は、その見た目で未だに人気があるヘッドホンスタンド。中古で約3000円で購入できる。どのヘッドホンを置いても綺麗に映るが、Focal Utopiaをこのヘッドホンスタンドに長時間載せていたところ、ヘッドバンドのレザー部分が剥がれ落ちるアクシデントがあったため、Focalとの相性は良くなく運用を中止した。デザインも良く、Focal Headphone Standと並ぶ存在。現在STAX用として運用中。
なお、オーディオテクニカは「AT-HPS500」など様々なヘッドホンスタンドを発売していたため、多種多様。その中でも今回は特にデザインの良いものを紹介した次第である。
Mezeの「HEADPHONE COUCH」は折りたたみ可能なヘッドホンスタンドで多機能。素材は「ヴィーガンレザー」で高級感のある仕上がりに。ヘッドホンをかけるというよりかは、置く・飾るという感じ。価格は¥19,800(税込)。
(番外編)
woo audioの海外モデルのヘッドホンスタンドもデザイン的に良い感じ。日本ではあまり見かけないため、個人輸入が必要。なお、Ω型や骸骨型のヘッドホンスタンドはあまり好みではない。
4. Focal Headphone Stand導入による音質の変化
ヘッドホンスタンドを変更したところで音質は変わらない。
5. まとめ
今回は、Focal Headphone Standを導入し実際に運用した感想と主要なヘッドホンスタンドの紹介・使用感の比較を行った。Focal Headphone Standのデザインと安定性は良好で海外製品ながら品質もよく、ヘッドホンをより美しく見せることが出来、導入してよかったと思えた。このスタンドは特に斜めからの角度が非常によく見え、音楽を聴かない際でもつい見惚れてしまうデザインである。
ヘッドホンスタンドとしては高額な部類に入るが、大切にしているヘッドホンをより愛用していくために、スタンドとして「飾る」要素を付け加える楽しみ方もあるものだと実感した次第である。