おうまさん

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圧力IH炊飯器 NW-FA10を導入

1. はじめに

 私は自宅でTIGER JBH-G100のマイコン炊飯ジャーを使用していたが、内釜のコーティングが剥がれ、米が釜にこびり付く事象が常に生じるようになっていた。同時に、安価な製品で炊いた米の出来上がりにも次第に疑問が生じるようになり、高級炊飯器への期待と導入を検討することとなった。様々な高級炊飯器を比較検討する中で最も安定感があり、価格が最も安価に購入できたのが「NW-FA10」であった。

 高級炊飯器を導入する狙いとして、日々の生活における料理部門の品質向上が挙げられる。自宅では高級ドライヤーである「レプロナイザー7D Plus」をはじめ、Panasonicのドラム時洗濯機、食洗機を本格導入し、その効果について本サイト上で所感を述べてきた。高価格帯の製品は十分に研究開発されたものでQOL向上や時間短縮に繋がりやすいものとなる。高級炊飯器においても同様にその効果が得られ達成できることが本プロジェクトのゴールである。

 従って、本記事では象印のNW-FA10を実際に導入した所感と以前使用していた「JBH-G100」との炊きあがりの比較を交えながら、レビューを行う。

 

2. NW-FA10の選択理由

 高級炊飯器には各ベンダが製品を展開しているが、主要な製品群ととしては「象印 NW-FA10」、「タイガー JPL-S100」、「Panasonic SR-VSX101」などであり、そのほかに三菱電機、日立、東芝も候補として挙がってくる。

 はじめに着目したのは炊飯器の新製品が登場する時期である。例年6-7月にNEWモデルが発表されることに伴い、型落ちとして製品が底値に近くなり、在庫処分されやすい期間が6-7月前後と推測した。実際に5月には象印はNW-FA10の後継モデル「NW-FB10」を発表し、タイガーは6月にJPL-S100の後継モデル「JRX-T100」を発表している。従って、新製品と現行モデルとの機能差を比較し、大きな差がなければ型落ちの現行モデルを購入した方が圧倒的にお得となる。

 次に、各ベンダの炊飯器ラインナップを比較した内容として、以下のサイトで特徴が抑えられていたため仕上がりのイメージを確認するために参考とした。

 正直なところ、高級炊飯器で各ベンダによる圧倒的な仕上がりの差異はないものと推定した。あとは個人の好みとなってくるが機能面に面白みを感じるか、オールマイティ製に重みを置くか、ブランドイメージに左右されるかの判断となってくる。自身の場合は、抑えられる機能の範囲、メンテナンス性、冷凍ご飯の品質など細かい箇所に行き届いているかを総合的に判断することとした。

 まずPanasonicの炊飯器は、国内での炊飯器製造を終了することから導入を見送った。更に、日立や東芝は価格的に値崩れしていたり、細かな機能について魅力が平均的だったため見送った。三菱電機は唯一圧力IHではなくIH炊飯器だったため見送った。最終的には消去法的に「象印 NW-FA10」「タイガー JPL-S100」の二択となった。

 JPL-S100(後継のJRX-T100)は、内釜と火力で炊くことに特化したイメージを持ち、NW-FA10(後継のNW-FB10)は3DローテーションIH構造によるかまどの炎のゆらぎを再現した構造的なアプローチが特徴的だった。価格的にも安いのはNW-FA10であり、総合的に機能面やコスパの面からすると象印の製品がプロジェクトの目的達成となり得ると判断したため、NW-FA10を導入することとした。

 一方で、JPL-S100(後継のJRX-T100)の内蓋における食洗機対応や、お焦げがつきやすい高級感のある土鍋には目を引かれるものがあった。しかし、予算の兼ね合い上見送ることとした。

 

3. 炊き上がりの品質比較

 従来使用していたTIGER JBH-G100の炊きあがり結果と、今回導入したNW-FA10の炊きあがり結果を比較したイメージを以下に示す。なお、炊きあがりのモードとしては、その炊飯器にとってベストで炊けるモードを採用し、JBH-G100においては白米モードで実行時間50-60分、NW-FA10においては熟成炊きモードで無洗米のカテゴリで実行時間75分で実施した。

TIGER JBH-G100の炊きあがり結果

NW-FA10の炊きあがり結果

 実際にイメージで炊きあがり結果を比較すると、TIGER JBH-G100のざらつきのある米粒に対し、NW-FA10は米粒の一粒一粒が大きく、艶がより感じられ全体的にふっくらしている様子が伺えた。また、匂いにおいてもNW-FA10が上品にほのかに香り、食感においては、ボリュームのある米粒が堪能できるとともに、米の甘さと食感が十分に味わえる印象だった。

 これまでは早炊きの利用機会が多く、NW-FA10の早炊き機能に関してはまずくはないが食べられる一般的なレベルであると認識している。反面、火力のあるJPL-S100(後継のJRX-T100)は早炊きでも一定の品質を保てているレビューが見受けられ、早炊きを積極的に活用し一定の品質を担保したいのであれば30分程度の中でJPL-S100が推奨となると思われるが、NW-FA10の早炊き機能はJPL-S100の炊きあがりを上回る20分程度であるため、どちらも一長一短であると考えられる。

 

4. 本体の保守性

 まずNW-FA10の本体の重さについては、内釜が重いだけで、内釜を先に取り出し別々に搬送することで重さはそれほど気にならない。しかし、内釜は重いので手洗いする際に傷をつけたり落とさないよう気を遣う場面がある。

 また、炊飯する度に手洗いが必要となる内蓋と内釜について、公式ではいずれも手洗いが必要である旨の注意書きがなされているが、内蓋については食洗機にゴリ押しで投入しても問題なさそうであったため、手洗いは内釜のみとした。仮に食洗機により内蓋が故障した場合、部品交換も内釜と比較すれば非常に安価で、なお内蓋が壊れるリスクは非常に発生確率が低いことから、リスク管理としては受容とした。

 運用上の課題としては、操作がタッチパネルである関係上、汚れがタッチパネル上についた場合拭き取ると誤操作してしまう点である。ロック機能が見当たらないため清掃の際にコンセントを抜く作業が必要となり、ワンタッチでロック/ロック解除が行えると良いと感じた。また、今後の課題としてIoTが挙げられる。タイガーの新フラッグシップ機(JRX-T100)はアプリより予約時間の変更や炊飯履歴が確認できるなどの連携が進んでいる。Panasonicドラム式洗濯機のようにアプリから操作を制御したりできるように、炊飯器においても今後IoTは拡大していくものと考えている。IoTはセキュリティの観点で考慮が必要な部分となっていくが、象印製品においても今後はそのような展開を期待したい。

 

5. まとめ

 本記事では、実際にNW-FA10を導入し運用結果について旧炊飯器との比較を交えながら所感や炊きあがり結果を示し、今後の課題を記載した。NW-FA10は今回紹介した機能のほかに、炊きあがりの米の硬さ等が調節できたり、わが家炊きとして炊飯器に感想を登録することで、どの炊き方が自分にフィットするかをブラッシュアップできる機能もある。

 現状、自身としては標準の熟成炊きで十分な状況となっているが、今後飽きが生じた際に普段とは違った炊き方を行い、アレンジしていく運用も面白いかもしれない。そういった意味で、長く使える製品であることが期待できる。

 象印製の圧力IH炊飯器の導入を検討されている方に参考となれば幸いである。

 

ネットワークドライブ経由でタスクスケジューラが失敗し、net useでシステムエラー86だった場合の対処法

1. はじめに

 ドメインの異なるネットワーク経由を利用したファイル転送をrobocopy等で行う際に、タスクスケジューラを活用して日次で自動同期する場合がある。その際に、コマンドプロンプトを活用しながら、ネットワークドライブでファイルをコピーするのだが、実行ユーザの違いや、ID/パスワードがネックとなりスムーズに実現できないことがある。本記事では、自身の経験に基づいて対処した事例を示す。

 

2. ネットワークドライブを経由したタスクスケジューラの実行失敗

 タスクスケジューラ側で「ユーザがログオンしているかどうかに関わらず実行する」または「最上位の特権で実行する」を指定していると、仮に事前にネットワークドライブを指定していても、その割当がログオンしていたユーザのみにしか分からない状態であり、自動実行するユーザプロファイル側は「ネットワークドライブの割当なんかされていない」と判断し結果的にタスクは失敗する。

 また、ネットワークドライブをそもそも指定しておらず、Windows認証情報に接続先のIPと紐づくID/パスワードを登録していても上記と同様で「IDとパスワードは自動実行する側から見れば分からない」ということになる。

 これらの解説は「タスクスケジューラ ネットワークドライブ」で検索すれば詳細な情報はいくらでも出ており、タスクスケジューラで呼び出すバッチの中に例えば直接、以下を記述することで解決する。

@echo off
net use T: \\192.168.10.135\d$ p@ssword /user:test\administrator
robocopy <コピー元パス> T:<コピー先パス> /MIR

 

 しかし、上記に記載しているnet useコマンドがID/パスワードが合っているのにもかかわらず、システムエラー86により認証に失敗するケースがある。その場合は以下の内容を考慮しトラブルシューティングを行う。

 

3. net useの認証失敗

 net useコマンドを実行した際にシステムエラー86が発生した場合は以下について確認を行う。

 ①パスワードに「%」が含まれていないか確認する。

 %はバッチファイル上、%変数%のような扱いができる関係でエスケープしなければならない文字となる。従って、例えば

net use T: \\192.168.10.135\d$ p@ss%word /user:test\administrator

と記載したところで、PC側が認識するのは

net use T: \\192.168.10.135\d$ p@ssword /user:test\administrator

である。パスワードに「%」が含まれる場合は以下のようにエスケープとして「%」を続けて記載するとnet useが成功する。ダブルクォーテーションは必要かどうかは実際に実行して有無を判断いただきたい。

net use T: \\192.168.10.135\d$ "p@ss%%word" /user:test\administrator

 

 ②ローカルセキュリティポリシーの変更を試行する

 ローカルセキュリティポリシーにおい、LAN Manager 認証レベルを「NTLM 応答のみを送信する」に変更することで解決する事例がある。

 ローカルセキュリティポリシーの変更に際しては、 「コントロールパネル」→「管理ツール」→「ローカルセキュリティポリシー」→「セキュリティオプション」→「ネットワークセキュリティ:LAN Manager 認証レベル」をプロパティで「未定義」から「NTLM 応答のみを送信する」に変更するに変更する。

 

 なお、一度設定すると画面上から未定義に戻すことができないので、戻す際はファイル名を指定して実行から「regedit」でレジストリを起動し、「HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa」の「LmCompatibilityLevel」を消去することで未定義に戻すことができる。

 

 ③/user:にドメインを指定する

 ネットワーク接続先のドメインが異なる場合はnet useの/user:の後に続いて[ドメイン名]\[ユーザID]を指定する。

net use T: \\192.168.10.135\d$ p@ssword /user:test\administrator

 

 ④タスクスケジューラで作業フォルダを指定する

 タスクスケジューラにおいて、操作の編集の中の[開始(オプション)]という項目がある。この項目が空欄の場合は、カレントディレクトリが「C:\Windows\system32」が設定されるため、バッチの記載方法によっては意図していないパスを参照している可能性がある。従って、絶対パスでバッチ内の記載を行うか、バッチ内で「cd %~dp0」を記載するか、タスクスケジューラの[開始(オプション)]内に作業パスを記載するかのいずれかとなる。

 

4. まとめ

 今回はタスクスケジューラを扱う中で、ネットワークを経由したバッチの自動実行に際しnet useを使用時の異常に対するトラブルシューティングの方法について述べた。実際に自身は記事内で紹介したすべてを確認した結果、最終的に該当したのは3-①のパスワードに「%」が入っていたことであった。自身はこのほかに、バッチファイル自動実行前にvbsでネットワークドライブを自動認証するコードまで書いたが、そもそもネットワークドライブがタスクスケジューラ側で割当されていないとみなされ、その施策は空回りに終わった。

 タスクスケジューラ自体、設定項目が複数に跨り癖の強いツールであると認識している。その中で、バッチが悪いのかタスクスケジューラ側での制約であるのかの切り分けが難しく、一発で処理が通る場合が少ない。

 今回のトラブルシューティングが1つでも該当し、原因の解決につながれば幸いである。

 

普通賃貸借契約における更新時の家賃値上げ拒否の交渉術

1. はじめに

 普通賃貸借契約において、2年で更新を迎えることが多いが、更新時に貸主から「家賃の値上げ」を借主側に請求されることがある。本記事では、管理会社を経由した貸主との家賃値上げに関し、拒否する交渉術を3つの段階に分けて記載する。段階に分けて記載する狙いとしては、断りづらい方も対象にしていることや急激に断固拒否をしても相手方に良い印象を与えないため、様子をうかがいながら段階的に交渉を行うことを目的としているためである。

 本記事に記載する方法で、自身としても「段階②」の時点で拒否が成立し、更新時も家賃の据え置きが決定したため実例がある。なお、拒否をする理由として自身は不動産業界をぼったくり市場と考えており、個人に対し十分な説明なく数万円~数十万円規模の金額を安易に請求する実例が多く、顧客へのサポートや営業手法が乱雑なケースが多く見られているからである。

 

2. 交渉の段階① 「疑問を投げかける」

 家賃の値上げ理由としては「物価高、地価変動、固定資産税の改定」を理由にされることが多い。その際に家賃の値上げを我々借主に要求されるが「値上げの承諾は必須で受け入れなければならないのか」や「こちらとしては据え置きでの家賃を希望したい」と返答する交渉を第一歩とする。なぜならば、借主には契約条件の変更を受け入れる義務がないからである。自身としては、電話で上記のやり取りを行ったところ「お願いをしている」という返答で義務ではないことを確認した形となった。

 注意点としては、極稀なケースだと思われるが貸借契約書に更新に関する特記事項があれば、この記載の対象外となる懸念があるため事前に確認しておくことが望ましい。

 貸主や管理会社がはじめに検討することはコスト削減策の検討であり、定期清掃の頻度削減などの人件費や無駄な費用を削ぎ落とした最適化を考慮した上で借主への家賃変動を依頼するべきと考えている。しかしながら、自身は家賃値上げの要求を受けた際にそのような背景は見られなかった。なぜならば、当初管理会社からの「3000円の値上げはどうか」との要求に対して断りを入れたところ、「では1000円の値上げでお願いできるか」といったアンカリング効果を彷彿とさせる提示がなされた。ましてや貸主が礼金を受け取っている中でこのような「とりあえず借主に負担させよう」という動きに対しては拒否が適切であるとの考えを持っている。

 

3. 交渉の段階② 「価格据え置きであれば更新する」

 交渉の段階①で据え置きでの家賃更新を求めつつも、貸主による家賃引上の意欲が強い場合は、交渉の段階②に進むこととなる。ここでは、「更新料」といった大家や管理会社にとって貴重な収入源となる材料を用いて交渉する。実際に交渉した例としては、「家賃の据え置きでなければ退去を見据え、更新するかは時期を改めて検討する」という回答を行った。または、直接「据え置きの賃料であれば更新したい」という意志を伝えるとよいだろう。

 世の中にはいくらでも良い物件は存在する。現住居にこだわる必要はないため退去を見据えることは嘘ではない。更新するかどうかは賃料次第で決定する意志を示すことで、更新料の獲得または空家による家賃収入の減少を防止したい大家や管理会社は、賃料値上げの方向性をこの段階で留める可能性がある。

 自身はここで管理会社より、賃料据え置きで更新する旨の連絡をもらい値上げの拒否に至ったが、仮に交渉がうまく行かなかった場合は次に示す段階の内容で交渉しようと考えた。

 

4. 交渉の段階③ 「法定更新」

 更新には合意更新と法定更新がある。貸主と借主で合意した内容であれば合意更新となる。しかし、交渉が決裂したり更新手続きの案内がない等で契約更新に関する同意が契約終了までになされなかった場合は法定更新となり、従前の契約と同一の条件で契約を更新する形となる。定期借家契約には適用されないため、本記事では普通賃貸借契約に限定している。

 更新時に借主から過度な家賃値下げを要求したり、借主側の更新手続き無視による法定更新の悪用は裁判となり得ることで認められない場合があると考えているが、今回の記事においては貸主からの一方的な家賃引き上げの要求であることから、交渉を重ねる上で法定更新の交渉は最終手段となる手になるだろう。交渉の際には段階②の内容と併せて、「法定更新または退去を見据えつつ、賃料の結果によって更新するかは検討する」旨を伝えると効果的であると想定する。

 法定更新となった場合、期間のない賃貸契約となることから更新料の支払いが有耶無耶になることとなる。賃借契約書に「合意更新・法定更新共に更新料を支払うこと。」の記載があれば、法定更新でも初回は更新料を支払う必要性があると思われる。なお 例外として、契約の自動更新が行われる旨が賃借契約書の記載にあった場合は法定更新ではなくなるケースもあるようだが、賃料の値上げには至らないため本記事の目的は達成している。

 このように段階②と同じく、貴重な収入源となる更新料の支払いについて法的に圧力が掛かるなど借主保護の制度を交渉の材料とすることができる。

 

5. まとめ

 今回は、貸主から「家賃の値上げ」を借主側に請求された場合の拒否する交渉術を三段階に分けて示した。いずれにせよ、事前に賃借契約書の更新に関わる記載を理解しておくことで交渉を有利に進めることが可能である。

 本記事では、賃料値上げの背景となる材料の提示が薄く、十分にコスト削減策の提示がなされていないことが顕在化していたため交渉による拒否を実施し実例を示した。賃料値上げの妥当性に理解を示す方は、承諾しても構わないと考えているが、そのようなケースは少ないと思われるため、一方的な賃料値上げに不満を持つ借主に対し、本記事が参考となれば幸いである。

 

ドラム式洗濯機で乾燥後の衣類を片付ける方法 yazi ランドリーバスケット

1. はじめに

 私はPanasonicドラム式洗濯機を使用しており、洗濯と乾燥モードを使用して衣類を乾燥させている。ドラム式洗濯機を導入した利点として、洗濯後に衣類を部屋干しするなどの乾燥手間が省けたことが挙げられるが、乾燥後の衣類を放置する癖がついてしまい、生活上の課題となっていた。

 従って、本記事では上記の課題を解消するための施策について検討を行い、実際に施策を行った結果について報告する。

 

2. 乾燥後の衣類の収納方法

 乾燥後の衣類を自動的に畳む機会は開発ハードルが高く、市場に出回っていないことから、私は衣類を一時的に退避させておくボックスを用意し、順次そこから衣類を取り出す方法をとることとした。これにより、衣類を洗濯機内や床に放置することなく、スマートに片付けるように見せかけ、取り出しやすくする狙いがあった。また、シワになりやすい衣類のことを考慮し、必要に応じてすぐハンガー等でかけられる手すりのような機構を備えているランドリーボックスの導入を課題に対する施策として検討することとした。

 

3. ランドリーボックスの比較

 ランドリーボックスの選定にあたり、重要な要件をいくつか設定することとした。

・部屋にボックスを設置するため場所を取らない折りたたみ式とすること

・ハンガー等がかけられる機構とすること

・衣類を複数に収納できるなど拡張性が期待できること

 上記の要件を考慮し、以下の製品について比較検討した。

ア)メッシュ型の折りたたみ式

 

イ)アルミ枠付き布収納折りたたみ型

 

ウ)ポリプロピレン折りたたみバスケット型

 

 最終的に私はイ)の「アルミ枠付き布収納折りたたみ型」を選定することとした。理由としては、収納枠として3つに隔てられておりタオルと普段着などで分けられて放り込めること、複数のボックスを購入しなくとも1つで収まることでコストパフォーマンスがよいことが挙げられる。また要件に挙げていた、折り畳み式で収納場所が確保できたり、アルミ素材により枠にハンガーで吊るすことでシワになりやすい衣類を管理できることがポイントとなり、実際に購入して運用することとした。

 

4. 実運用の結果

 画像のように、3つに隔てられている収納を活用し「Dark」には服、「Light」には下着類、「Color」にはタオル類をカテゴリごとに分別して放り込むことにより、一時収納退避先として片付けることが可能となった。時間がある際に、この中から畳むべき衣類は畳んで収納し、すぐ使うものはランドリーボックスから直接取り出すことで短縮化を図った。

 また、アルミの上部枠にハンガーをかけることで簡易的に衣類を吊るすこともでき、利便性が向上した。更に、ランドリーボックスに手持ち紐がついているため、持ち運びもでき、任意の場所に設置を変更することもできることから、軽量で運用面においても優れていることがわかった。

 デメリットとしては、片付けるとは言っても一時的に収納しているに過ぎないので場所をある程度とることである。あくまで一時退避先として活用することが前提となり、「サッと片付ける」には適しているアイテムであると認識している。

 

5. まとめ

 今回は、ドラム式洗濯機で乾燥後の衣類の取扱い方法について検討を行い、ランドリーボックスの導入により衣類整頓のきっかけを作り、その運用と効果を示した。最近はドラム式洗濯機よりも縦型洗濯機に移行した方が良いという風潮もあるが、衣類の乾燥は避けて通れない部分もあり、どちらも一長一短なところがあると認識している。個人的には、干す作業を短縮するためにも乾燥機能は必要な機能であることから、ドラム式洗濯機の活用を推進していきたいと考えている。

 乾燥後の衣類の取り扱いについては、自動的に畳む技術の進歩を期待している。それまでは、今回の記事で取り扱った一時退避の衣類整頓を生活の中に取り入れて運用していきたい次第である。

 

 

【JR東】お忘れ物チャットを利用して網棚の忘れ物が返却された話【武蔵野線編】

1.はじめに

 プライベートにおいて武蔵野線を利用する機会があり、列車内が混雑していた関係で座席の上の網棚に手提げ鞄を置いていたが、下車時に荷物を取り忘れてしまい、1日後に忘れ物が手元に返ってきた事例を本記事にて記載する。なお、忘れ物の返却にあたり利用したツールとしてはJR東のお問い合わせセンタである「お忘れ物案内」の代表電話と、「お忘れ物チャット(https://lost.jreast-chat.com/)」を利用した。

 最終的にお忘れ物チャットにて事案が解決したので本記事では主にITの視点で解釈し、その内容について記載する。また、今後こういったことが無いよう発生した理由を振り返るとともに再発防止策を検討し、その内容について報告する。

 

2. 経緯・事案が発生した理由

 忘れ物をした経緯から返却までの流れを以下に示す。

時間
経緯の詳細
備考
16:10
武蔵野線東京行きに乗車し、座席網棚の上に荷持を置く。
 
16:29
下車してすぐ、荷持を網棚に置いたままであることにホーム上で気付く。
気付いた頃にはドアが閉まり、発車していた。
16:31
降りた駅の改札横の案内にて駅員に対し、いま発車した列車の中に忘れ物をした旨を伝える。乗車していた号車番号、どこに忘れ物したか、忘れ物の特徴をヒアリングされる。
夕方は混む時間帯であることから、連絡先の駅での捜索は拒否となった。
16:35
捜索は不可であることから、お忘れ物案内の代表に電話するよう駅員に紙をいただく。
運良く数駅先で捜索できた場合は、そのまま駅に出向いて受け取る形になり得る。
18:35
お忘れ物案内の代表に電話するが、「見つからなかった」という回答をいただく。※回線が混み合っている関係上、電話に繋がるまで約5分待たなければならない
乗車線、忘れ物の特徴をヒアリングされる。忘れ物の内容はデータに登録されており、オペレータはそのデータをもとに忘れ物の照会をかける。
19:45
WEBで似たような事例を検索すると、忘れ物のデータ反映までに時間を要することが事例で判明したため、電話の受付時間が21時までということや繋がりにくいということもあり、お忘れ物チャットを利用し、WEBでの解決を図ることとした。
お忘れ物チャットを利用した理由としては、電話では伝わらない忘れ物の特徴を文面で的確に伝えたり、チャットに対する公式回答までの時間差を利用して忘れ物のデータ反映までを待ち続ける狙いがあったからである。
(翌日)9:10
チャットで申告した品物に近いものが見つかったとメールにて連絡があり、受取日時を送信。
次章の3.で詳細を記載する。
22:00
対象の駅(府中本町)に直接出向き、申告した忘れ物の特徴を改めて駅員に伝え内容の確認と書類への記載および身分証明書の確認を行い対応が終了する。
身分証明書は必須。受取日時の入力は必須ではないようである。※保管期限を過ぎると駅の最寄り警察署に移送される。

 

 荷持を網棚に忘れ物をした理由を以下に記載する。

・仕事柄、PC等の鞄を紛失するとセキュリティ事故に繋がるため、これまでこのような事案は起きなかったがプライベートでの外出かつテレワークによる列車移動が減少したことから気の緩みが生じ、下車時に荷物を回収することが出来なかった。

・移動中において車内は混雑していたが、数駅停車すると座席が空いたため、態勢が立ちから座りに途中で移行した。その際に荷持を網棚から回収することを忘れてしまった。自身を含め2人で列車移動していたため、荷物の回収に気が回らなかったことで起きた事案であった。

 

3. お忘れ物チャットの詳細

 2.で述べたように、JR東のお忘れ物案内の代表電話に掛けたが回線が込み合っていたり、忘れ物の詳細データ反映まで時間を要するということが懸念されたため、電話では伝わらない忘れ物の特徴を文面で的確に伝える意図と共に、チャットに対する公式回答までの時間差を利用して忘れ物のデータ反映を待ち続ける狙いがあったため、「お忘れ物チャット(https://lost.jreast-chat.com/)」を利用することとした。

 実際に利用した流れを以下に示す。

(ア) 返信用のメールアドレスを送信する。 ※スマホアクセス可

 

(イ) メールアドレスにアクセスコードとトークン付きの問合せ用URLが一緒に送付される。情報セキュリティの観点からなりすまし防止の対策がされていることが分かる。

(ウ) 忘れ物をした日にちの登録、忘れ物をした場所、乗車・降車駅、忘れ物の特徴をチャットボットの案内にならい入力していく。特に乗車列車のどこに置き忘れたかや、忘れ物の特徴はテキストエリア上に詳細を入力することができるため、具体的な記載が望ましい。更に、忘れ物の画像添付も可能であるため言葉で表現できないような場合に使用できる。

(エ) 問い合わせ内容を送信し、メールによる回答を待つ。送信後の画面はそのまま閉じて構わない。

(オ) 忘れ物が見つかった場合は、「申告した品物に近いものが見つかった」旨のメールが届く。(イ)のURLがメールに記載されており、再度アクセスコードを入力すると詳細画面が表示される。自身の場合は、東京行きの武蔵野線に乗車したが、最終的には折り返し運転の反対側の終点駅である府中本町駅に忘れ物が保管された形となった。

 忘れ物をした日の18時時点で代表電話にて見つからなかった理由としては、府中本町への運転中であったか、または忘れ物情報のDB入力・反映に時間を要したことでヒットしなかったものと推測される。

 

(カ) 指定の(オ)で示された駅に出向き、忘れ物の特徴を再度駅員に伝え、書類に指名、住所、電話番号等を記載し身分証の確認と荷物確認を行い対応が完了する。書類には忘れ物をした鞄の中身が単語ベース(ペン、モバイルバッテリなど)で記載されていることから、オペレータによるデータ検索においては、外観や内容物の情報を手かがりとして顧客からの申告内容と照合していると想定される。

 

4. 再発防止策

 これまでに述べた内容を踏まえ、以下の基本動作を徹底し再発防止に努めることとする。

・プライベートにおいては荷物より他に気が散る場面が多いことから、荷物を座席上の網棚へ置くことを禁止する。

・一緒に乗車している者がいる場合、下車時に所持品の確認をダブルチェック体制で実施し忘れ物がないかをレビューし合う。

 

5. まとめ

 今回は関東の列車内に忘れ物をしてしまい、JR東の忘れ物代表電話やお忘れ物チャットの各種サービスを利用して結果的に荷物の返却がなされた事案について報告を行った。貴重品等が鞄に入っていなかったことで冷静な立ち回りが出来たと振り返るが、結果的に荷物が見つかって良かったものの気の緩みで起きた事案であることから、再発防止で記載した内容を今後徹底していく次第である。

 また各種業務遂行の中、JR東のお忘れ物返却に向けて対応していただいた職員に対し謝辞を述べる。列車内に忘れ物をした際の時系列を探りたい方や、お忘れ物チャットの有用性を探りたい方、忘れ物の対応事例を探っている方向けに関東地方の事例として参考となれば幸いである。

 

 

 

木村飲料の果汁サイダーシリーズをそれぞれ飲んだ感想

0. はじめに

 瓶に入ったオレンジジュースが飲みたいと思い、スーパーで買い物をしていると、お洒落な瓶ジュースが並んでおり、果汁のサイダーシリーズとして様々な種類の商品が展開されていることから、その場で興味を示し購入した。本記事では、同一商品をそれぞれ飲み比べしレビューした結果を記載する。

 購入した果汁サイダーシリーズは木村飲料より発売されており、実際に飲んだ商品は以下となる。

項番(順不同)
商品名
備考
執筆者好みランク
1
信州産シャインマスカットサイダー
果汁1%
第2位
2
静岡いちごサイダー
果汁2%
第4位
3
山梨ぶどうサイダー
果汁10%未満
第7位
4
信州りんごサイダー
果汁50%
第6位
5
静岡マスクメロンサイダー
果汁2%
第3位
6
静岡みかんサイダー
果汁10%未満
第1位
7
山梨県・長野県産完熟ももサイダー
果汁10%未満
第5位

※同様の銘柄として完熟トマトサイダーもあるが、果汁系ではないため対象外とした。

1. 信州産シャインマスカットサイダー

 結論から言えば、今回紹介するサイダーの中で第2位の好みである。色は透き通っており、香りはマスカットの匂いが感じられる。口に入れた感触は若干のとろみがあり、三ツ矢サイダーのとろけるももの感触と似たような形である。味は濃くはなく、スッキリとした印象であったが後味がよくマスカットの風味を深いところまで味わえるものであった。

 

2. 静岡いちごサイダー

 香りはしっかりとしたいちごの匂いで、口に入れた感触は若干のとろみがあり、ピュアさがある。味はまさに苺のしつこくない程よい甘さと鼻からスッと抜ける苺の風味を味わうことができる。個人的には、かき氷のいちごシロップを彷彿とさせる印象を抱き、期待通りの味覚であったため第4位となった。

 

3. 山梨ぶどうサイダー

 香りはファンタを彷彿とさせるブドウの匂いで、口に入れた感触は若干のとろみがある。味はブドウのほのかな味覚が感じられた。カテゴリとしてはファンタが競合となると思われるが、山梨ぶどうサイダーの方はファンタと比較しあっさりとしているが、とろみと炭酸で立体感があり、ファンタの方は砂糖ぽさが強く味が濃く炭酸が直に口に広がる感じで平面感が感じられる。しかしながら、明確な違いはあるものの大きな期待を上回る味覚には至らなかったため第7位となった。個人的には価格を考慮した場合、山梨ぶどうサイダー1本140円で、ファンタの1.5Lが1本購入できる価格帯であるため、雑味があってもファンタを選ぶと感じられることも要因となった。

 

4. 信州りんごサイダー

 酸味があり、口に入れた感触は若干のとろみがあり、ピュアさがある。りんごの匂いがふわっと香り、炭酸とのバランスがよく飲みやすい。しかし果汁50%であるが濃厚さはさほど感じられず、Tropicanaを彷彿とさせる深い味わいまでには到達していないと感じられたため、全体で第6位となった。

 

5. 静岡マスクメロンサイダー

 メロンの香りが自然に漂い、喫茶店で飲むようなメロンジュース感ではない少し拘った味わいを楽しめた。アローマメロン果汁を使用しており程よい甘さ、飽きない程度の味の濃さのバランスがよく、リラックスして飲める一品であった。色も美しく、透明感がある緑と炭酸の融合が一層、気分を上げるものとなった。ただし、競合製品との圧倒的な差はそこまで大きくはなく意外性に一部欠けたため、全体的に第3位とした。

 

6. 静岡みかんサイダー

 香りはファンタとは異なり上品なみかんの匂いで、口に入れた感触は若干のとろみがある。味としては意外性があり、みかんの甘さ控えめだが、強いオレンジ感はないふわっとした味わいを楽しむことができた。これまで飲んだ果汁シリーズの中で飲みやすく、ファンタでは再現できない味であることが確認できたため唯一複数回購入することとなった。温州みかん果汁であるため、店頭で売っているような単純なみかんの味ではない点もポイントであり、全体的に期待を上回る内容であったため第1位となった。

 

7. 山梨県・長野県産完熟ももサイダー

 香りは三ツ矢の特濃ももほどの強い匂いではないが、ほのかに自然に香るものだった。口に入れた感触は若干のとろみがあり、やはり市販の三ツ矢の特濃ももが競合になると感じられた。ブドウと同様にとろみと炭酸で立体感があり、砂糖ぽさを感じずに味も濃くなく、三ツ矢のように作られた感じはしないが価格を考慮した場合、味覚もやや似ており柔らかさを併せ持つ、三ツ矢の1.5Lが1本購入できる価格帯である要素もあることから、第5位となった。

 

8. まとめ

 今回はスーパーに陳列されている、木村飲料の果汁サイダーシリーズを一式購入し、飲んだ感想と好みについてそれぞれ所感を示した。内容量としては240mlで価格と相談しながらとはなるが、全体的に言えることは香りが各フルーツの匂いとして上品に漂うことと、口に入れたときのとろみ、ピュアさが各製品で常に感じられることである。通常1.5Lの炭酸飲料を購入しコスパ重視する取組みも良いかもしれないが、気分転換に普段とは違う気持ちでリラックスして飲める飲料も良いものであると認識した形となった。

 

 

高専専攻科在学中にIT業界の大企業就職活動を行った体験談

1. はじめに

 私は大手情報処理・サービス業に属する20代後半のSEである。2016年に新卒で入社し、今日に至るまで様々なIT資格取得やそれなりに年収も得られ、生活基盤が確立してきた。自身は高専の情報処理系学科に入学後、専攻科への道を歩み、20代のこれまでを振り返る中で高専専攻科時代における大企業への自由応募での就職活動は思うようにいかない場面が多かったという反省の意味を込め、本記事を執筆する。対象の読者像は、情報処理に興味がある方で高専専攻科からの就職で安定収入を得たい方となる。

 

2.自身の高専時代と専攻科からの就職について

 高専準学士過程からの就職は考えておらず、当時は某巨大掲示板で「準学士過程からの就職は給料安く工場で品質関連の仕事しか回されない」などの投稿を真に受けながら、大学同等の学歴は重要であると考えていたこともあり、専攻科進学後の就職は前提としていた。なお、高専卒業後に大学編入ではなく専攻科に進学した理由は「友達が出来る気がしなかった」からである。大学で友達ができないと過去問が入手できず単位に影響するリスクを回避する狙いがあった。

 自身は物事を論理的ではなく、漠然と感覚で捉える性格のため理数系の科目は基本的に暗記していた。したがって、準学士過程においては応用的な問題が出題される定期試験の数学、物理、化学は赤点を取ることもありつつ、教科書の例題を必死に解きながら暗記し、試験で例題から派生された問題を確実に正解することによって点数を稼いでいた。それでいながら、学科内で10位以内をキープしつつ、専攻科進学後は心を入れ替え、赤点は一度もなく引き続き10位以内をキープし、JABEE認定され就職への準備を行っていった。学科で10位以内であると大学院への推薦編入も視野に入ることとなるが、自身は研究に身を投じるより、早く金を得たいという気持ちが強かったため、就職の方向となった。

 準学士課程からの就職について自身が社会人を経験しながら感じることは、現在属している会社にも高卒で頭の切れる課長クラスの上司がいるが、昇進スピードは大卒・院卒に劣り、部長の座をライバルに譲らざるをえないという光景が見られた。頭の切れる上司は行動力もあり自身もリスペクトをしているが、日系大手企業においては「学歴」という要素が立ちふさがるものとなる。更に、自身の親も高卒であることから昇進スピードについて度々言及されてきており、「大卒未満は課長まで」という人事制度上制限のある企業も存在するようであった。外資系や日系でもベンチャーであれば実力主義でチャンスがあると思われるが、常に上がつっかえているという状況はどんな場面であれ遭遇するところでもあり、そういったリスクを回避するためにも自身は「学士」以上からの就職を推奨する。

 起業などの常識に囚われない生き方をしたい方は、上記の限りではないがそもそも本記事の対象読者から外れているのでご容赦いただきたい。

 

3. 専攻科からの就活

 結論から言えば自身は推薦応募2社、自由応募8社の計10社の大手企業へ応募し、最終的に推薦で現在の上場会社に勤務している。現在の会社は個人情報の関係上、明らかにしないこととする。大手企業に絞った狙いとしては、高待遇・高所得を目指したからである。結果的に現在の職場に就職できて良かったものの、就職活動自体の取り組みに関しては失敗の評価をしている。なお補足の情報として2016卒は、ちょうど就職スケジュールの変更があり経団連に加盟している企業にて、採用情報や説明会情報の解禁が後ろ倒されていたが、遵守する企業はごく一部で、早く動いた者勝ちな風潮があった。

 自身が行った就活実績を表として以下に示す。

日付
就活内容
備考
2015/3/1
事実上の就活解禁
長期インターンで誘いのあった企業はほぼ内定状態
2015/3/11-3/26
企業研究、応募予定企業のセミナ予約
マイナビ東京EXPO、地元の合同企業説明会など
2015/3/31-4/4
会社説明会に出向く
2015/4/4
各種エントリーシート執筆の下書き
専攻科に来ている大企業の求人票を見ると推薦はなく、自由応募が多数
2015/4/26-4/29
JRAシステムサービス面接、その他企業の会社説明会
ニコン、JR東
2015/5/8-5/24
ES提出、テストセンター受験
2015/6/2-6/14
ES提出、会社説明会
2015/7/2-7/8
面接、グループ討議
東北電力富士通エフサス
2015/7/10-15
SPI、最終面接(推薦)
2015/8/5-8/7
2次面接、3次面接
2015/8/8
2次面接
富士通エフサス
2015/8/20-25
推薦の会社説明会、最終面接
現在勤めている企業

 

4. 各企業を応募しての所感

 推薦応募した現在勤めている企業以外は長期インターンでお世話になった企業を除き、すべてお祈りとなった。結局応募した企業は、「JRAシステムサービス」「中部電力」「Canon」「ニコン」「NTTコムウェア」「東北電力」「NTTデータ」「富士通エフサス」「長期インターンで世話になった企業」「現在勤めている推薦応募企業」の計10社である。書類選考を通過し面接に進んだのはそのうちの4つのみである。

 以下、気になった各企業に対する就活上での所感を述べる。

NTT東会社説明会の段階で学歴ごとにグループを分けており、強い学閥を意識したため退避した。JR東の総合職は会社説明会でエリート向けという印象を抱いたため回避した。

DNPCanon会社説明会で組み込み系に対する技術への情熱を感じ好印象だった。DNPは推薦応募があったが、同学科内の他学生が先に応募し締め切っていたため回避した。エンベデッドスペシャリストとしての道もあったのかもしれない。Canonは書類選考の段階でお祈りとなった。カメラが好きなので、カメラに対する思いを交えながら書いたのが逆に良くなかったと振り返る。

中部電力会社説明会は、複数人の学生が社員を囲んで話を聞くというコーナーがあり、情報部門の社員は親身になって話を聞いてくれた一方で、電気部門では東大・理科大の学生と一緒になり、社員から「...であなたは高専...?」という学閥の目線もあった。戦うフィールドが違うという学歴を感じながらも、ESを提出したが面接に進むことなく書類選考の段階でお祈りとなった。

JRAシステムサービスは、なぜこの会社に興味を持ったか、研究タイトルと研究内容、趣味特技、あなたにとって就職するとは、自己PR、志望動機、JRA-VAN、専攻科の学科名の説明を面接や記入シート等で求められた。志望動機については一部、首を傾げていた部分があったため、練り方が良くなかったものと反省した。資格取得について突っ込まれたが、当時は何も持っておらず運転免許のみという回答も微妙と思われた。面接でサイレントお祈り。

ニコンは、会社説明会に行ったがあまり覚えておらずとりあえずESのみ出したものの専門試験が選考過程にあり、途中で辞退したように記憶している。

NTTコムウェアは適性検査TALが初受験で訳わからん解答をして書類選考でお祈りとなった。なお、後続のNTTデータでもTALが採用されており、このおかげで練習できた良い例でもあった。

富士通エフサスは書類選考とグループ討議に通過し、推薦でうけるかもしれない旨を人事に伝えながらも、自由応募で2次面接に挑んだ。シンクライアント関連の仕事をしてみたいと行ったが、あまり面接官にはピンときておらずお祈りとなった。

東北電力は書類選考、リクルート面談、1次面接、2次面接を突破したものの、電気分野の経験がないという形で3次面接でお祈りとなった。どれも私の話を丁寧に聞いてもらい、好印象だった。原発についてどう思うか、専攻科の学科名の説明、ESで記入した内容について深掘りがあった。電気分野に精通していたら道はあったかもしれない。

NTTデータは、当初自由応募でエントリーしていたが思うように就活が上手くいかない焦りから、推薦応募のカードを切ることとした。推薦応募にすると、途中の面接が省略され、適性検査合格後に即、最終面接となる。しかし、NTTデータは推薦であってもお祈りされることで当時は定評があった。NTTコムウェアで練習台となった2度目のTALとSPIを突破し、最終面接へ進んだものの、お祈りとなった。

いま勤めている企業は、8月後半まで何も内定がない状態だったので最初から推薦応募し、なんとか拾ってもらえた企業である。時期が時期なので、どうして今この時期に推薦か?という質問にもなったが、いままで受けた企業や研究に力を入れていた等の説明で納得してもらえた。社内でもNTTデータの最終面接に落ち、こちらに内定を決めた者もいる。稀に自身の転職先としてNTTデータが過ることもあるが、「結局どのSIerも一緒だろう」という気持ちを胸に思いとどまっている。

 

5. 就活・面接の反省点

 就活の開始が遅く、企業研究をもっと早くに行うべきだった。また、応募したい企業を早くから選定し、企業研究の質より量を重視したほうが良かった。

 全体的に見ると、高専生または専攻科生を採用している企業は、専攻科に対しての理解がある一方で、「専攻科とはなにか」「どういう学科なのか」を面接で追求する企業も見受けられた。主に首都圏の学歴重視の企業においては、そもそも土俵に立たせてもらえない場面も見受けられた。

 面接の反省点においては、部屋に入る際に「面接官は事前にESを見ているから名前を名乗るのは不要だろう」と自己紹介を省略したり、「御社が第一志望で、他に受けているところはありません」とガチ恋を表明してみたりした企業があったが、完全に逆効果であった。面接官は、基本的なことができているかという観点で合否を決めている観点もあるため、基本動作は徹底すべきと感じた。

 

6. まとめ

 今回は、自身が高専専攻科時代に大手企業をメインに就職活動した際の過程を述べ、各応募企業の状況を振り返った。振り返ってみると、やはり自身の就活は失敗例で理系の推薦で首の皮一枚繋がった形となった。

 専攻科では準学士課程の学生と比較し、推薦応募の比率が低くなり大手企業においては自由応募で参加せざるをえない可能性が当時高くなっていた。また、地方の高専だったからということもあるが、学歴差を感じつつも学割で首都圏企業に足を運び続けるという厳しい要因も続いてしまった。しかしその中で、自由応募で大手に挑戦するには、早めの企業研究と多くのES提出、面接によりまずは内定を確保することが近道ではないかと認識している。それでもやはり厳しい現実があれば、推薦応募に頼るのも致し方ないと感じている。

 自身の実力とやりたい事を常に想定しながら、高い目標を掲げた計画的な就活が大事であることをまとめとし、高専専攻科生で就職を考えている方等に参考となれば幸いである。

 

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