1. はじめに
現在自身は電子ピアノを使用して様々な楽曲を弾いている。自宅では、KAWAI MP11を運用しており、Z型スタンドであるRoland KS-10Zを2019年4月に購入し、2020年に至る今でも使用し続けている。本記事では、Roland KS-10Zの概要を紹介すると共に、実際に導入するに至ったまでの背景と使用してみての感想をレビューする。
ちなみに、一度Roland KS-10Zの不良品が届いたのでそれも併せて事例として紹介する。
2. KS-10Zの概要
KS-10Zは、KS-18Zの後継機種である。KS-18Zは2009年あたりに発売が開始され、KS-10Zが2019年に発売されるまで、約10年間現行の製品としてあり続けていた。従って、今回紹介するKS-10ZはKS-18Zの機能を継承しつつ、いくつか性能も上がっている。
以下に、KS-10ZとKS-18Zの差異を示す。
KS-10Zは、許容重量が100kgに増え、クロスバーが設けられた。これにより、重量がKS-18Zより重くなっている。KS-10Zの奥行きは自身で測ったが、KS-18Zよりも奥行きが拡がった印象を持った。また、高さと幅についても差異があり、柔軟に調整が可能となっている。
それ以外のアピールポイントについては公式サイトを参照されたい。
・スプリング式レバーにより高さと幅の調整がシンプルに
・コンパクトに折りたため、収納や運搬がスムーズ
3. KAWAI MP11に設置
3.1 導入の背景 (KAWAIのZ型スタンドの有無)
自身は電子ピアノのMP11を使用している。ピアノスタンドは、Z型スタンド、X型スタンド、モノリス型スタンドというものまであるようである。KAWAIの担当者にZ型スタンドの有無を聞いた所、以前「KKS-8」というZ型スタンドがあったが、現在は廃盤となっており、X型スタンドを案内しているようである。従って、自身はZ型スタンドとして定評のあるKKS-10Zか、形状が特殊な「quiklok M91」の導入を検討した。
比較的、KS-10Zが安価ということと使い勝手が良さそうなことが伺われ、最終的にはKS-10Zを導入することとした。
実際に注文したところ、画像のような箱が届き、組み立て式の状態で納品された。
KS-10Zの組み立ては、基本的にネジを締めて組み立てが完了するため、工具は必要ないことがメリットである。付属品もネジだけで、手のみで完結する。また、ネジによるロック機構も備えているため、作りも安っぽくなく頑丈となっている。しかし、組み立てている途中に以下の不良が発見された。
以上のような不具合があったため、返品を行った。こういった不良は意外とあり、以前ニトリで購入した組み立て式のテーブルも寸法が全く誤っていて机がガタガタ揺れる事象も起きた。なかなか品質の確保は難しい。...ということで改めて綺麗な状態での製品が到着し、無事に電子ピアノのセッティングが行えた。
3.2 使用して1年以上経過しての感想
KAWAI MP11との相性は良く、設置バーの奥行きも丁度よいくらいである。また、置き場所に標準でゴムがついているため 弾いていても滑らないのが利点である。縦・横・奥行きの振動に対しても、まあ抑えられているという感触はある(多少振動はするが)。一度引っ越しを行った際も、全部KS-10Zを解体することはなく、脚の一部を折りたたんで水平状態に持っていくことが出来るため余計なスペースを取らせることなくスムーズに運送が行えていた。
実際にスタジオ等で使用される方にとっても、幅や高さの調節が数段階で調節できるため、位置を覚えておけば状態を再現できるのが特徴である。ペダルなど有線での電子ピアノとの接続に際しても、空間があるため取り回しが良く、足にも当たらずすっきりしている。一点課題を挙げるとするならば、重量がややあるため一度設置してしまうとなかなか動かすのが億劫になってしまうことである。次回の後継機に望むこととしては、より安定性を確保しつつも重量が抑えられる素材を採用していただきたいと思っている。
4. まとめ
今回は、Roland KS-10Zの概要と導入背景、使用感を述べた。KS-10Zは安定性があり主にミドルレンジからハイエンドの電子ピアノを使用している方にとってオススメの製品である。特に、ROLANDのピアノを使用している方にとっては是非導入していただきたいものでもあり、他のメーカの製品を使用している方にとっても、選んで後悔はしない選択と考えている。KS-10Zの導入を検討している方向けに本記事が参考となれば幸いである。