おうまさん

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普通賃貸借契約における更新時の家賃値上げ拒否の交渉術

1. はじめに

 普通賃貸借契約において、2年で更新を迎えることが多いが、更新時に貸主から「家賃の値上げ」を借主側に請求されることがある。本記事では、管理会社を経由した貸主との家賃値上げに関し、拒否する交渉術を3つの段階に分けて記載する。段階に分けて記載する狙いとしては、断りづらい方も対象にしていることや急激に断固拒否をしても相手方に良い印象を与えないため、様子をうかがいながら段階的に交渉を行うことを目的としているためである。

 本記事に記載する方法で、自身としても「段階②」の時点で拒否が成立し、更新時も家賃の据え置きが決定したため実例がある。なお、拒否をする理由として自身は不動産業界をぼったくり市場と考えており、個人に対し十分な説明なく数万円~数十万円規模の金額を安易に請求する実例が多く、顧客へのサポートや営業手法が乱雑なケースが多く見られているからである。

 

2. 交渉の段階① 「疑問を投げかける」

 家賃の値上げ理由としては「物価高、地価変動、固定資産税の改定」を理由にされることが多い。その際に家賃の値上げを我々借主に要求されるが「値上げの承諾は必須で受け入れなければならないのか」や「こちらとしては据え置きでの家賃を希望したい」と返答する交渉を第一歩とする。なぜならば、借主には契約条件の変更を受け入れる義務がないからである。自身としては、電話で上記のやり取りを行ったところ「お願いをしている」という返答で義務ではないことを確認した形となった。

 注意点としては、極稀なケースだと思われるが貸借契約書に更新に関する特記事項があれば、この記載の対象外となる懸念があるため事前に確認しておくことが望ましい。

 貸主や管理会社がはじめに検討することはコスト削減策の検討であり、定期清掃の頻度削減などの人件費や無駄な費用を削ぎ落とした最適化を考慮した上で借主への家賃変動を依頼するべきと考えている。しかしながら、自身は家賃値上げの要求を受けた際にそのような背景は見られなかった。なぜならば、当初管理会社からの「3000円の値上げはどうか」との要求に対して断りを入れたところ、「では1000円の値上げでお願いできるか」といったアンカリング効果を彷彿とさせる提示がなされた。ましてや貸主が礼金を受け取っている中でこのような「とりあえず借主に負担させよう」という動きに対しては拒否が適切であるとの考えを持っている。

 

3. 交渉の段階② 「価格据え置きであれば更新する」

 交渉の段階①で据え置きでの家賃更新を求めつつも、貸主による家賃引上の意欲が強い場合は、交渉の段階②に進むこととなる。ここでは、「更新料」といった大家や管理会社にとって貴重な収入源となる材料を用いて交渉する。実際に交渉した例としては、「家賃の据え置きでなければ退去を見据え、更新するかは時期を改めて検討する」という回答を行った。または、直接「据え置きの賃料であれば更新したい」という意志を伝えるとよいだろう。

 世の中にはいくらでも良い物件は存在する。現住居にこだわる必要はないため退去を見据えることは嘘ではない。更新するかどうかは賃料次第で決定する意志を示すことで、更新料の獲得または空家による家賃収入の減少を防止したい大家や管理会社は、賃料値上げの方向性をこの段階で留める可能性がある。

 自身はここで管理会社より、賃料据え置きで更新する旨の連絡をもらい値上げの拒否に至ったが、仮に交渉がうまく行かなかった場合は次に示す段階の内容で交渉しようと考えた。

 

4. 交渉の段階③ 「法定更新」

 更新には合意更新と法定更新がある。貸主と借主で合意した内容であれば合意更新となる。しかし、交渉が決裂したり更新手続きの案内がない等で契約更新に関する同意が契約終了までになされなかった場合は法定更新となり、従前の契約と同一の条件で契約を更新する形となる。定期借家契約には適用されないため、本記事では普通賃貸借契約に限定している。

 更新時に借主から過度な家賃値下げを要求したり、借主側の更新手続き無視による法定更新の悪用は裁判となり得ることで認められない場合があると考えているが、今回の記事においては貸主からの一方的な家賃引き上げの要求であることから、交渉を重ねる上で法定更新の交渉は最終手段となる手になるだろう。交渉の際には段階②の内容と併せて、「法定更新または退去を見据えつつ、賃料の結果によって更新するかは検討する」旨を伝えると効果的であると想定する。

 法定更新となった場合、期間のない賃貸契約となることから更新料の支払いが有耶無耶になることとなる。賃借契約書に「合意更新・法定更新共に更新料を支払うこと。」の記載があれば、法定更新でも初回は更新料を支払う必要性があると思われる。なお 例外として、契約の自動更新が行われる旨が賃借契約書の記載にあった場合は法定更新ではなくなるケースもあるようだが、賃料の値上げには至らないため本記事の目的は達成している。

 このように段階②と同じく、貴重な収入源となる更新料の支払いについて法的に圧力が掛かるなど借主保護の制度を交渉の材料とすることができる。

 

5. まとめ

 今回は、貸主から「家賃の値上げ」を借主側に請求された場合の拒否する交渉術を三段階に分けて示した。いずれにせよ、事前に賃借契約書の更新に関わる記載を理解しておくことで交渉を有利に進めることが可能である。

 本記事では、賃料値上げの背景となる材料の提示が薄く、十分にコスト削減策の提示がなされていないことが顕在化していたため交渉による拒否を実施し実例を示した。賃料値上げの妥当性に理解を示す方は、承諾しても構わないと考えているが、そのようなケースは少ないと思われるため、一方的な賃料値上げに不満を持つ借主に対し、本記事が参考となれば幸いである。

 

ドラム式洗濯機で乾燥後の衣類を片付ける方法 yazi ランドリーバスケット

1. はじめに

 私はPanasonicドラム式洗濯機を使用しており、洗濯と乾燥モードを使用して衣類を乾燥させている。ドラム式洗濯機を導入した利点として、洗濯後に衣類を部屋干しするなどの乾燥手間が省けたことが挙げられるが、乾燥後の衣類を放置する癖がついてしまい、生活上の課題となっていた。

 従って、本記事では上記の課題を解消するための施策について検討を行い、実際に施策を行った結果について報告する。

 

2. 乾燥後の衣類の収納方法

 乾燥後の衣類を自動的に畳む機会は開発ハードルが高く、市場に出回っていないことから、私は衣類を一時的に退避させておくボックスを用意し、順次そこから衣類を取り出す方法をとることとした。これにより、衣類を洗濯機内や床に放置することなく、スマートに片付けるように見せかけ、取り出しやすくする狙いがあった。また、シワになりやすい衣類のことを考慮し、必要に応じてすぐハンガー等でかけられる手すりのような機構を備えているランドリーボックスの導入を課題に対する施策として検討することとした。

 

3. ランドリーボックスの比較

 ランドリーボックスの選定にあたり、重要な要件をいくつか設定することとした。

・部屋にボックスを設置するため場所を取らない折りたたみ式とすること

・ハンガー等がかけられる機構とすること

・衣類を複数に収納できるなど拡張性が期待できること

 上記の要件を考慮し、以下の製品について比較検討した。

ア)メッシュ型の折りたたみ式

 

イ)アルミ枠付き布収納折りたたみ型

 

ウ)ポリプロピレン折りたたみバスケット型

 

 最終的に私はイ)の「アルミ枠付き布収納折りたたみ型」を選定することとした。理由としては、収納枠として3つに隔てられておりタオルと普段着などで分けられて放り込めること、複数のボックスを購入しなくとも1つで収まることでコストパフォーマンスがよいことが挙げられる。また要件に挙げていた、折り畳み式で収納場所が確保できたり、アルミ素材により枠にハンガーで吊るすことでシワになりやすい衣類を管理できることがポイントとなり、実際に購入して運用することとした。

 

4. 実運用の結果

 画像のように、3つに隔てられている収納を活用し「Dark」には服、「Light」には下着類、「Color」にはタオル類をカテゴリごとに分別して放り込むことにより、一時収納退避先として片付けることが可能となった。時間がある際に、この中から畳むべき衣類は畳んで収納し、すぐ使うものはランドリーボックスから直接取り出すことで短縮化を図った。

 また、アルミの上部枠にハンガーをかけることで簡易的に衣類を吊るすこともでき、利便性が向上した。更に、ランドリーボックスに手持ち紐がついているため、持ち運びもでき、任意の場所に設置を変更することもできることから、軽量で運用面においても優れていることがわかった。

 デメリットとしては、片付けるとは言っても一時的に収納しているに過ぎないので場所をある程度とることである。あくまで一時退避先として活用することが前提となり、「サッと片付ける」には適しているアイテムであると認識している。

 

5. まとめ

 今回は、ドラム式洗濯機で乾燥後の衣類の取扱い方法について検討を行い、ランドリーボックスの導入により衣類整頓のきっかけを作り、その運用と効果を示した。最近はドラム式洗濯機よりも縦型洗濯機に移行した方が良いという風潮もあるが、衣類の乾燥は避けて通れない部分もあり、どちらも一長一短なところがあると認識している。個人的には、干す作業を短縮するためにも乾燥機能は必要な機能であることから、ドラム式洗濯機の活用を推進していきたいと考えている。

 乾燥後の衣類の取り扱いについては、自動的に畳む技術の進歩を期待している。それまでは、今回の記事で取り扱った一時退避の衣類整頓を生活の中に取り入れて運用していきたい次第である。

 

 

【JR東】お忘れ物チャットを利用して網棚の忘れ物が返却された話【武蔵野線編】

1.はじめに

 プライベートにおいて武蔵野線を利用する機会があり、列車内が混雑していた関係で座席の上の網棚に手提げ鞄を置いていたが、下車時に荷物を取り忘れてしまい、1日後に忘れ物が手元に返ってきた事例を本記事にて記載する。なお、忘れ物の返却にあたり利用したツールとしてはJR東のお問い合わせセンタである「お忘れ物案内」の代表電話と、「お忘れ物チャット(https://lost.jreast-chat.com/)」を利用した。

 最終的にお忘れ物チャットにて事案が解決したので本記事では主にITの視点で解釈し、その内容について記載する。また、今後こういったことが無いよう発生した理由を振り返るとともに再発防止策を検討し、その内容について報告する。

 

2. 経緯・事案が発生した理由

 忘れ物をした経緯から返却までの流れを以下に示す。

時間
経緯の詳細
備考
16:10
武蔵野線東京行きに乗車し、座席網棚の上に荷持を置く。
 
16:29
下車してすぐ、荷持を網棚に置いたままであることにホーム上で気付く。
気付いた頃にはドアが閉まり、発車していた。
16:31
降りた駅の改札横の案内にて駅員に対し、いま発車した列車の中に忘れ物をした旨を伝える。乗車していた号車番号、どこに忘れ物したか、忘れ物の特徴をヒアリングされる。
夕方は混む時間帯であることから、連絡先の駅での捜索は拒否となった。
16:35
捜索は不可であることから、お忘れ物案内の代表に電話するよう駅員に紙をいただく。
運良く数駅先で捜索できた場合は、そのまま駅に出向いて受け取る形になり得る。
18:35
お忘れ物案内の代表に電話するが、「見つからなかった」という回答をいただく。※回線が混み合っている関係上、電話に繋がるまで約5分待たなければならない
乗車線、忘れ物の特徴をヒアリングされる。忘れ物の内容はデータに登録されており、オペレータはそのデータをもとに忘れ物の照会をかける。
19:45
WEBで似たような事例を検索すると、忘れ物のデータ反映までに時間を要することが事例で判明したため、電話の受付時間が21時までということや繋がりにくいということもあり、お忘れ物チャットを利用し、WEBでの解決を図ることとした。
お忘れ物チャットを利用した理由としては、電話では伝わらない忘れ物の特徴を文面で的確に伝えたり、チャットに対する公式回答までの時間差を利用して忘れ物のデータ反映までを待ち続ける狙いがあったからである。
(翌日)9:10
チャットで申告した品物に近いものが見つかったとメールにて連絡があり、受取日時を送信。
次章の3.で詳細を記載する。
22:00
対象の駅(府中本町)に直接出向き、申告した忘れ物の特徴を改めて駅員に伝え内容の確認と書類への記載および身分証明書の確認を行い対応が終了する。
身分証明書は必須。受取日時の入力は必須ではないようである。※保管期限を過ぎると駅の最寄り警察署に移送される。

 

 荷持を網棚に忘れ物をした理由を以下に記載する。

・仕事柄、PC等の鞄を紛失するとセキュリティ事故に繋がるため、これまでこのような事案は起きなかったがプライベートでの外出かつテレワークによる列車移動が減少したことから気の緩みが生じ、下車時に荷物を回収することが出来なかった。

・移動中において車内は混雑していたが、数駅停車すると座席が空いたため、態勢が立ちから座りに途中で移行した。その際に荷持を網棚から回収することを忘れてしまった。自身を含め2人で列車移動していたため、荷物の回収に気が回らなかったことで起きた事案であった。

 

3. お忘れ物チャットの詳細

 2.で述べたように、JR東のお忘れ物案内の代表電話に掛けたが回線が込み合っていたり、忘れ物の詳細データ反映まで時間を要するということが懸念されたため、電話では伝わらない忘れ物の特徴を文面で的確に伝える意図と共に、チャットに対する公式回答までの時間差を利用して忘れ物のデータ反映を待ち続ける狙いがあったため、「お忘れ物チャット(https://lost.jreast-chat.com/)」を利用することとした。

 実際に利用した流れを以下に示す。

(ア) 返信用のメールアドレスを送信する。 ※スマホアクセス可

 

(イ) メールアドレスにアクセスコードとトークン付きの問合せ用URLが一緒に送付される。情報セキュリティの観点からなりすまし防止の対策がされていることが分かる。

(ウ) 忘れ物をした日にちの登録、忘れ物をした場所、乗車・降車駅、忘れ物の特徴をチャットボットの案内にならい入力していく。特に乗車列車のどこに置き忘れたかや、忘れ物の特徴はテキストエリア上に詳細を入力することができるため、具体的な記載が望ましい。更に、忘れ物の画像添付も可能であるため言葉で表現できないような場合に使用できる。

(エ) 問い合わせ内容を送信し、メールによる回答を待つ。送信後の画面はそのまま閉じて構わない。

(オ) 忘れ物が見つかった場合は、「申告した品物に近いものが見つかった」旨のメールが届く。(イ)のURLがメールに記載されており、再度アクセスコードを入力すると詳細画面が表示される。自身の場合は、東京行きの武蔵野線に乗車したが、最終的には折り返し運転の反対側の終点駅である府中本町駅に忘れ物が保管された形となった。

 忘れ物をした日の18時時点で代表電話にて見つからなかった理由としては、府中本町への運転中であったか、または忘れ物情報のDB入力・反映に時間を要したことでヒットしなかったものと推測される。

 

(カ) 指定の(オ)で示された駅に出向き、忘れ物の特徴を再度駅員に伝え、書類に指名、住所、電話番号等を記載し身分証の確認と荷物確認を行い対応が完了する。書類には忘れ物をした鞄の中身が単語ベース(ペン、モバイルバッテリなど)で記載されていることから、オペレータによるデータ検索においては、外観や内容物の情報を手かがりとして顧客からの申告内容と照合していると想定される。

 

4. 再発防止策

 これまでに述べた内容を踏まえ、以下の基本動作を徹底し再発防止に努めることとする。

・プライベートにおいては荷物より他に気が散る場面が多いことから、荷物を座席上の網棚へ置くことを禁止する。

・一緒に乗車している者がいる場合、下車時に所持品の確認をダブルチェック体制で実施し忘れ物がないかをレビューし合う。

 

5. まとめ

 今回は関東の列車内に忘れ物をしてしまい、JR東の忘れ物代表電話やお忘れ物チャットの各種サービスを利用して結果的に荷物の返却がなされた事案について報告を行った。貴重品等が鞄に入っていなかったことで冷静な立ち回りが出来たと振り返るが、結果的に荷物が見つかって良かったものの気の緩みで起きた事案であることから、再発防止で記載した内容を今後徹底していく次第である。

 また各種業務遂行の中、JR東のお忘れ物返却に向けて対応していただいた職員に対し謝辞を述べる。列車内に忘れ物をした際の時系列を探りたい方や、お忘れ物チャットの有用性を探りたい方、忘れ物の対応事例を探っている方向けに関東地方の事例として参考となれば幸いである。

 

 

 

木村飲料の果汁サイダーシリーズをそれぞれ飲んだ感想

0. はじめに

 瓶に入ったオレンジジュースが飲みたいと思い、スーパーで買い物をしていると、お洒落な瓶ジュースが並んでおり、果汁のサイダーシリーズとして様々な種類の商品が展開されていることから、その場で興味を示し購入した。本記事では、同一商品をそれぞれ飲み比べしレビューした結果を記載する。

 購入した果汁サイダーシリーズは木村飲料より発売されており、実際に飲んだ商品は以下となる。

項番(順不同)
商品名
備考
執筆者好みランク
1
信州産シャインマスカットサイダー
果汁1%
第2位
2
静岡いちごサイダー
果汁2%
第4位
3
山梨ぶどうサイダー
果汁10%未満
第7位
4
信州りんごサイダー
果汁50%
第6位
5
静岡マスクメロンサイダー
果汁2%
第3位
6
静岡みかんサイダー
果汁10%未満
第1位
7
山梨県・長野県産完熟ももサイダー
果汁10%未満
第5位

※同様の銘柄として完熟トマトサイダーもあるが、果汁系ではないため対象外とした。

1. 信州産シャインマスカットサイダー

 結論から言えば、今回紹介するサイダーの中で第2位の好みである。色は透き通っており、香りはマスカットの匂いが感じられる。口に入れた感触は若干のとろみがあり、三ツ矢サイダーのとろけるももの感触と似たような形である。味は濃くはなく、スッキリとした印象であったが後味がよくマスカットの風味を深いところまで味わえるものであった。

 

2. 静岡いちごサイダー

 香りはしっかりとしたいちごの匂いで、口に入れた感触は若干のとろみがあり、ピュアさがある。味はまさに苺のしつこくない程よい甘さと鼻からスッと抜ける苺の風味を味わうことができる。個人的には、かき氷のいちごシロップを彷彿とさせる印象を抱き、期待通りの味覚であったため第4位となった。

 

3. 山梨ぶどうサイダー

 香りはファンタを彷彿とさせるブドウの匂いで、口に入れた感触は若干のとろみがある。味はブドウのほのかな味覚が感じられた。カテゴリとしてはファンタが競合となると思われるが、山梨ぶどうサイダーの方はファンタと比較しあっさりとしているが、とろみと炭酸で立体感があり、ファンタの方は砂糖ぽさが強く味が濃く炭酸が直に口に広がる感じで平面感が感じられる。しかしながら、明確な違いはあるものの大きな期待を上回る味覚には至らなかったため第7位となった。個人的には価格を考慮した場合、山梨ぶどうサイダー1本140円で、ファンタの1.5Lが1本購入できる価格帯であるため、雑味があってもファンタを選ぶと感じられることも要因となった。

 

4. 信州りんごサイダー

 酸味があり、口に入れた感触は若干のとろみがあり、ピュアさがある。りんごの匂いがふわっと香り、炭酸とのバランスがよく飲みやすい。しかし果汁50%であるが濃厚さはさほど感じられず、Tropicanaを彷彿とさせる深い味わいまでには到達していないと感じられたため、全体で第6位となった。

 

5. 静岡マスクメロンサイダー

 メロンの香りが自然に漂い、喫茶店で飲むようなメロンジュース感ではない少し拘った味わいを楽しめた。アローマメロン果汁を使用しており程よい甘さ、飽きない程度の味の濃さのバランスがよく、リラックスして飲める一品であった。色も美しく、透明感がある緑と炭酸の融合が一層、気分を上げるものとなった。ただし、競合製品との圧倒的な差はそこまで大きくはなく意外性に一部欠けたため、全体的に第3位とした。

 

6. 静岡みかんサイダー

 香りはファンタとは異なり上品なみかんの匂いで、口に入れた感触は若干のとろみがある。味としては意外性があり、みかんの甘さ控えめだが、強いオレンジ感はないふわっとした味わいを楽しむことができた。これまで飲んだ果汁シリーズの中で飲みやすく、ファンタでは再現できない味であることが確認できたため唯一複数回購入することとなった。温州みかん果汁であるため、店頭で売っているような単純なみかんの味ではない点もポイントであり、全体的に期待を上回る内容であったため第1位となった。

 

7. 山梨県・長野県産完熟ももサイダー

 香りは三ツ矢の特濃ももほどの強い匂いではないが、ほのかに自然に香るものだった。口に入れた感触は若干のとろみがあり、やはり市販の三ツ矢の特濃ももが競合になると感じられた。ブドウと同様にとろみと炭酸で立体感があり、砂糖ぽさを感じずに味も濃くなく、三ツ矢のように作られた感じはしないが価格を考慮した場合、味覚もやや似ており柔らかさを併せ持つ、三ツ矢の1.5Lが1本購入できる価格帯である要素もあることから、第5位となった。

 

8. まとめ

 今回はスーパーに陳列されている、木村飲料の果汁サイダーシリーズを一式購入し、飲んだ感想と好みについてそれぞれ所感を示した。内容量としては240mlで価格と相談しながらとはなるが、全体的に言えることは香りが各フルーツの匂いとして上品に漂うことと、口に入れたときのとろみ、ピュアさが各製品で常に感じられることである。通常1.5Lの炭酸飲料を購入しコスパ重視する取組みも良いかもしれないが、気分転換に普段とは違う気持ちでリラックスして飲める飲料も良いものであると認識した形となった。

 

 

高専専攻科在学中にIT業界の大企業就職活動を行った体験談

1. はじめに

 私は大手情報処理・サービス業に属する20代後半のSEである。2016年に新卒で入社し、今日に至るまで様々なIT資格取得やそれなりに年収も得られ、生活基盤が確立してきた。自身は高専の情報処理系学科に入学後、専攻科への道を歩み、20代のこれまでを振り返る中で高専専攻科時代における大企業への自由応募での就職活動は思うようにいかない場面が多かったという反省の意味を込め、本記事を執筆する。対象の読者像は、情報処理に興味がある方で高専専攻科からの就職で安定収入を得たい方となる。

 

2.自身の高専時代と専攻科からの就職について

 高専準学士過程からの就職は考えておらず、当時は某巨大掲示板で「準学士過程からの就職は給料安く工場で品質関連の仕事しか回されない」などの投稿を真に受けながら、大学同等の学歴は重要であると考えていたこともあり、専攻科進学後の就職は前提としていた。なお、高専卒業後に大学編入ではなく専攻科に進学した理由は「友達が出来る気がしなかった」からである。大学で友達ができないと過去問が入手できず単位に影響するリスクを回避する狙いがあった。

 自身は物事を論理的ではなく、漠然と感覚で捉える性格のため理数系の科目は基本的に暗記していた。したがって、準学士過程においては応用的な問題が出題される定期試験の数学、物理、化学は赤点を取ることもありつつ、教科書の例題を必死に解きながら暗記し、試験で例題から派生された問題を確実に正解することによって点数を稼いでいた。それでいながら、学科内で10位以内をキープしつつ、専攻科進学後は心を入れ替え、赤点は一度もなく引き続き10位以内をキープし、JABEE認定され就職への準備を行っていった。学科で10位以内であると大学院への推薦編入も視野に入ることとなるが、自身は研究に身を投じるより、早く金を得たいという気持ちが強かったため、就職の方向となった。

 準学士課程からの就職について自身が社会人を経験しながら感じることは、現在属している会社にも高卒で頭の切れる課長クラスの上司がいるが、昇進スピードは大卒・院卒に劣り、部長の座をライバルに譲らざるをえないという光景が見られた。頭の切れる上司は行動力もあり自身もリスペクトをしているが、日系大手企業においては「学歴」という要素が立ちふさがるものとなる。更に、自身の親も高卒であることから昇進スピードについて度々言及されてきており、「大卒未満は課長まで」という人事制度上制限のある企業も存在するようであった。外資系や日系でもベンチャーであれば実力主義でチャンスがあると思われるが、常に上がつっかえているという状況はどんな場面であれ遭遇するところでもあり、そういったリスクを回避するためにも自身は「学士」以上からの就職を推奨する。

 起業などの常識に囚われない生き方をしたい方は、上記の限りではないがそもそも本記事の対象読者から外れているのでご容赦いただきたい。

 

3. 専攻科からの就活

 結論から言えば自身は推薦応募2社、自由応募8社の計10社の大手企業へ応募し、最終的に推薦で現在の上場会社に勤務している。現在の会社は個人情報の関係上、明らかにしないこととする。大手企業に絞った狙いとしては、高待遇・高所得を目指したからである。結果的に現在の職場に就職できて良かったものの、就職活動自体の取り組みに関しては失敗の評価をしている。なお補足の情報として2016卒は、ちょうど就職スケジュールの変更があり経団連に加盟している企業にて、採用情報や説明会情報の解禁が後ろ倒されていたが、遵守する企業はごく一部で、早く動いた者勝ちな風潮があった。

 自身が行った就活実績を表として以下に示す。

日付
就活内容
備考
2015/3/1
事実上の就活解禁
長期インターンで誘いのあった企業はほぼ内定状態
2015/3/11-3/26
企業研究、応募予定企業のセミナ予約
マイナビ東京EXPO、地元の合同企業説明会など
2015/3/31-4/4
会社説明会に出向く
2015/4/4
各種エントリーシート執筆の下書き
専攻科に来ている大企業の求人票を見ると推薦はなく、自由応募が多数
2015/4/26-4/29
JRAシステムサービス面接、その他企業の会社説明会
ニコン、JR東
2015/5/8-5/24
ES提出、テストセンター受験
2015/6/2-6/14
ES提出、会社説明会
2015/7/2-7/8
面接、グループ討議
東北電力富士通エフサス
2015/7/10-15
SPI、最終面接(推薦)
2015/8/5-8/7
2次面接、3次面接
2015/8/8
2次面接
富士通エフサス
2015/8/20-25
推薦の会社説明会、最終面接
現在勤めている企業

 

4. 各企業を応募しての所感

 推薦応募した現在勤めている企業以外は長期インターンでお世話になった企業を除き、すべてお祈りとなった。結局応募した企業は、「JRAシステムサービス」「中部電力」「Canon」「ニコン」「NTTコムウェア」「東北電力」「NTTデータ」「富士通エフサス」「長期インターンで世話になった企業」「現在勤めている推薦応募企業」の計10社である。書類選考を通過し面接に進んだのはそのうちの4つのみである。

 以下、気になった各企業に対する就活上での所感を述べる。

NTT東会社説明会の段階で学歴ごとにグループを分けており、強い学閥を意識したため退避した。JR東の総合職は会社説明会でエリート向けという印象を抱いたため回避した。

DNPCanon会社説明会で組み込み系に対する技術への情熱を感じ好印象だった。DNPは推薦応募があったが、同学科内の他学生が先に応募し締め切っていたため回避した。エンベデッドスペシャリストとしての道もあったのかもしれない。Canonは書類選考の段階でお祈りとなった。カメラが好きなので、カメラに対する思いを交えながら書いたのが逆に良くなかったと振り返る。

中部電力会社説明会は、複数人の学生が社員を囲んで話を聞くというコーナーがあり、情報部門の社員は親身になって話を聞いてくれた一方で、電気部門では東大・理科大の学生と一緒になり、社員から「...であなたは高専...?」という学閥の目線もあった。戦うフィールドが違うという学歴を感じながらも、ESを提出したが面接に進むことなく書類選考の段階でお祈りとなった。

JRAシステムサービスは、なぜこの会社に興味を持ったか、研究タイトルと研究内容、趣味特技、あなたにとって就職するとは、自己PR、志望動機、JRA-VAN、専攻科の学科名の説明を面接や記入シート等で求められた。志望動機については一部、首を傾げていた部分があったため、練り方が良くなかったものと反省した。資格取得について突っ込まれたが、当時は何も持っておらず運転免許のみという回答も微妙と思われた。面接でサイレントお祈り。

ニコンは、会社説明会に行ったがあまり覚えておらずとりあえずESのみ出したものの専門試験が選考過程にあり、途中で辞退したように記憶している。

NTTコムウェアは適性検査TALが初受験で訳わからん解答をして書類選考でお祈りとなった。なお、後続のNTTデータでもTALが採用されており、このおかげで練習できた良い例でもあった。

富士通エフサスは書類選考とグループ討議に通過し、推薦でうけるかもしれない旨を人事に伝えながらも、自由応募で2次面接に挑んだ。シンクライアント関連の仕事をしてみたいと行ったが、あまり面接官にはピンときておらずお祈りとなった。

東北電力は書類選考、リクルート面談、1次面接、2次面接を突破したものの、電気分野の経験がないという形で3次面接でお祈りとなった。どれも私の話を丁寧に聞いてもらい、好印象だった。原発についてどう思うか、専攻科の学科名の説明、ESで記入した内容について深掘りがあった。電気分野に精通していたら道はあったかもしれない。

NTTデータは、当初自由応募でエントリーしていたが思うように就活が上手くいかない焦りから、推薦応募のカードを切ることとした。推薦応募にすると、途中の面接が省略され、適性検査合格後に即、最終面接となる。しかし、NTTデータは推薦であってもお祈りされることで当時は定評があった。NTTコムウェアで練習台となった2度目のTALとSPIを突破し、最終面接へ進んだものの、お祈りとなった。

いま勤めている企業は、8月後半まで何も内定がない状態だったので最初から推薦応募し、なんとか拾ってもらえた企業である。時期が時期なので、どうして今この時期に推薦か?という質問にもなったが、いままで受けた企業や研究に力を入れていた等の説明で納得してもらえた。社内でもNTTデータの最終面接に落ち、こちらに内定を決めた者もいる。稀に自身の転職先としてNTTデータが過ることもあるが、「結局どのSIerも一緒だろう」という気持ちを胸に思いとどまっている。

 

5. 就活・面接の反省点

 就活の開始が遅く、企業研究をもっと早くに行うべきだった。また、応募したい企業を早くから選定し、企業研究の質より量を重視したほうが良かった。

 全体的に見ると、高専生または専攻科生を採用している企業は、専攻科に対しての理解がある一方で、「専攻科とはなにか」「どういう学科なのか」を面接で追求する企業も見受けられた。主に首都圏の学歴重視の企業においては、そもそも土俵に立たせてもらえない場面も見受けられた。

 面接の反省点においては、部屋に入る際に「面接官は事前にESを見ているから名前を名乗るのは不要だろう」と自己紹介を省略したり、「御社が第一志望で、他に受けているところはありません」とガチ恋を表明してみたりした企業があったが、完全に逆効果であった。面接官は、基本的なことができているかという観点で合否を決めている観点もあるため、基本動作は徹底すべきと感じた。

 

6. まとめ

 今回は、自身が高専専攻科時代に大手企業をメインに就職活動した際の過程を述べ、各応募企業の状況を振り返った。振り返ってみると、やはり自身の就活は失敗例で理系の推薦で首の皮一枚繋がった形となった。

 専攻科では準学士課程の学生と比較し、推薦応募の比率が低くなり大手企業においては自由応募で参加せざるをえない可能性が当時高くなっていた。また、地方の高専だったからということもあるが、学歴差を感じつつも学割で首都圏企業に足を運び続けるという厳しい要因も続いてしまった。しかしその中で、自由応募で大手に挑戦するには、早めの企業研究と多くのES提出、面接によりまずは内定を確保することが近道ではないかと認識している。それでもやはり厳しい現実があれば、推薦応募に頼るのも致し方ないと感じている。

 自身の実力とやりたい事を常に想定しながら、高い目標を掲げた計画的な就活が大事であることをまとめとし、高専専攻科生で就職を考えている方等に参考となれば幸いである。

 

Sennheiser CX True Wirelessを導入

1. はじめに

 私はハイエンドヘッドホンを専門に様々な製品を購入し、「音の解像度を基本とした広大な音場とLUXMANの音の持ち味を活かした躍動ある音との調和」をテーマに自宅の音を構成しているが、好みとする音色の傾向としてはキラキラした繊細で明るいトーンが好みである。具体的に製品名を挙げるとするならば、ヘッドホンであればFocal Utopiaであり、1万円台のイヤホンで挙げれば、RHA MA750が好みに近くなっている。

 一方で近年、イヤホン界においてはワイヤレスが主流となってきており、代表的なものとしてAppleAirPodsをはじめとした様々な無線のイヤホンが発売されている。本ブログにおいては、導入しているイヤホンとして「RHA MA750」を既にレビューしているが有線イヤホンでありワイヤレスイヤホンは未導入な状況が続いていた。

 世の中の流れ的にニーズがあるのは、シンプルかつ導入が楽な製品で馴染みのある製品の導入であることを認識しており、1万円台のワイヤレスイヤホンの導入を検討したところ主流のメーカ群としてはApple(Airpods)、Sonyaudio-technicaSennheiserが候補として挙げられた。価格帯を1万円台に絞った理由としては、イヤホンは故障がつきものであるである点と、ワイヤレスという特徴上、紛失のリスクがつきものであるという点から運用保守の面において心理的負担が小さいながらも音質がある程度担保されているものが望ましいと考えたからである。

 検討の結果、最終的にはたまたまAmazonタイムセールで安くなっていたSennheiser CX True Wirelessが目に止まり購入することとなった。自宅でRHAのイヤホンを使用している観点から音色の差別化を図る狙いと、ヘッドホンであるSennheiser HD650の性能が価格の割には評判が良いことからSennheiserへの信頼があったため、導入の決定打となった。従って本記事では、実際にSennheiser CX True Wirelessを導入した感想と音質の傾向についてレビューを行う。

 

2. 開封、基本仕様

 USB Type Cで充電し、一度で最長9時間、充電ケースを合わせるとさらに18時間の合計27時間で再生できるためバッテリーに関しては安心感がある。また、アクティブノイズキャンセルや外音取り込み機能はないものの、Bluetooth 5.2とデュアルマイク搭載で普通に使用する最低限の機能が備わっている。イヤーピースはS,L,XSが付属しており、RHAほどではないものの耳のサイズに合わせたものを装着でき、女性の耳でも違和感のない使用が可能であった。

3. Sennheiser CX True Wirelessの音質

 一通り聴いてみて、まず感じたのは低音寄りで中低域に寄っていることである。ここで言う低音の品質は、ヘッドホンのD8000のようなレスポンスの早い立体感のあるものではなく、全体的に作り出される音の中のうち、低音のボリュームと沈み込みの割合が多少大きいということである。RHAのような高音のキラキラした感触はあまり無く、モニターライクほどではないが素朴でクリアな音質を提供するイヤホンであると感じた。解像度については特に不満はなく「Sennheiser」らしい音の厚みと全体的に統制されたものであり、ドンシャリしすぎず聞き疲れしにくい音質で仕上がっている。この点に関しては自宅で所有しているヘッドホンのHD650にも言えることである。

 折角なので有線タイプのRHA MA750と比較したところ、自身はMA750の方が多少立体感を感じられ好みの音質であった。低価格帯のイヤホン・ヘッドホンの性質上、音の立体感が2Dの感覚でのっぺり気味になってしまう傾向がある。価格帯が20万を超えることで、3D的に音の質量が増えて立体感を感じられるようになる。Sennheiser CX True Wirelessはどちらかというと2D寄りで横並びで音が鳴っている感覚だが、RHA MA750はその横並びの上にキラキラした音が別枠で付加されているような感触を持っている。有線と無線の違いであるので深い比較はナンセンスであるが、無線イヤホンのこの価格帯で上記の音質を成し遂げられていることは技術の進歩を感じるとともに、外で気軽に音楽を楽しめる音質ということで十分な性能であると言える。

 

4. その他機能

 スマホにアプリ「Smart Control」をインストールすることで、イコライザ、タッチコントロール等が設定できる。個人的にあまり設定するものではないが、自分の理想に近い音を追求する方に必要となる機能と想定する。

5. まとめ

 今回はSennheiser CX True Wirelessを導入し、実際の音質の所感を述べたとともに既に所有しているイヤホンやヘッドホンの音質をもとに比較を交えながら音の特徴を考察した。1万円台であることやワイヤレスイヤホンでこの音質という点を考慮すると、コスパが高くSennheiser製品として満足度の高い製品であることが伺える。

 最近ではSONY製ワイヤレスイヤホンの修理費に関して話題になったりと、ブランドへの信仰心を試されるケースが見受けられるが音質のみではなく価格帯、実運用面、サポートに関してもオーディオを楽しむ上で入念に検討が必要な要素であると認識している。今回のSennheiser CX True Wirelessは個人的には上記の要素を満たした製品であると考え、第三者におすすめしたい製品であったため、紹介を行い実際に知人にも使用していただき、高評価をいただいた。低価格帯でのワイヤレスによるシンプル運用を目指すオーヲタの信頼に、響きで応えるSennheiser

 Sennheiser CX True Wirelessに関し、音質の調査やこれから製品の導入をしようとしている方向けに参考となれば幸いである。

 

令和4年プロジェクトマネージャ試験に合格 プロマネ未経験からの不合格→合格を徹底解説

1. はじめに

 私は情報処理・サービス業の会社に属する20代後半のSEである。完全独学で令和4年秋にプロジェクトマネージャ試験を受験し合格したため、合格に至るまでに行った学習経過等を振り返る。特に今回の試験では受験3ヶ月前に祖母が他界し、受験3週間前に投資の現物株で650万を損失するなど非常に厳しい環境下の中での試験となった。なお、プロマネ試験は今回で2回目の受験であり前回の試験では論文でB判定を取得していることから、論文でBからA判定にするための施策も含めて全体的に解説する。

 徹底解説であるため、主に午後試験においては実際に自身が提出解答した内容はメモしてあり、IPAの解答と照らし合わせると共に、午後Ⅱ論文においても解答したポイントを具体的に記載することで、よくある「薄い単なる合格体験記」に留まらない内容を意識して記事を構成する。

1回目の受験結果

2. 受験の目的

 顧客へシステム導入する前段としてまずは調達がかかり、場合によっては他社と競い合った上で構築業者が決定される。その際に顧客は調達仕様書を定義するが、その中に「作業要員に求める資格等の要件」として責任者となる者はプロジェクトマネージャの合格者であること、などITSSレベル4に相当する高度試験区分の合格を要件に挙げられる場合も見受けられる。民間へのシステム導入の際には馴染みがないかもしれないが、国や官公庁などの入札に関わる案件はこれらがほぼ盛り込まれていると認識している。

 私は、このような調達仕様書に記載される資格に合格した実績を創出し、活躍の幅を広げるきっかけとしておきたい思いから受験を行った。

 と、いいつつも世の中は金が全てであり資格手当が欲しい。しかし、状況が変わり弊社は資格手当が無くなった上にSIerという性質上、PMPプロマネが重視されており技術系の資格は趣味程度で捉えられがちな風潮にある。PMPは受験費用が高く、更新手数料もコスパが悪いためITSSレベル4である国家試験のプロジェクトマネージャ試験に合格することで社内における身の安全を確保する狙いがあった。

3. 情報処理技術者試験の受験履歴と筆者のスペック

 自身の情報処理試験受験履歴を以下に示す。情報処理技術者の受験は入社した2016春より開始している。なお、未受験は省略している。

受験年
受験区分
結果
2016春
合格
2017秋
不合格(午前Ⅱで後1問正解で合格)
2019秋
不合格(午前Ⅰで後1問正解で合格)
2020春
中止
中止
2020秋
プロジェクトマネージャ (PM)
不合格(午後Ⅱで論文B判定)
2021春
情報処理安全確保支援士 (SC)
2022春
不合格(午前Ⅱで後1問正解で合格)
2022秋
プロジェクトマネージャ (PM)
合格

 

 また、自身のITスキルを以下に示す。

・プロジェクトマネジメント未経験(プロマネには絶対になりたくない)

・プロジェクトマネジメントにおける品質評価は無駄だと思っている。監査や社内上層部による意思決定者が品質の報告からプロジェクトの妥当性を判断するのに必要な情報の根拠としていることは「正論」であるが、現場からしてみれば品質指標から外れたところで「○○を○○しているので問題ない」という定性・定量評価に対してコメントし、結局のところ全日本言い訳大会を開催しているだけである、というのが品質評価への所感である。

PMBOKを読んだことがないし興味がない

・プログラムを実装する際、ネットからコピーしたものをモジュールとしてそのまま利用し、実装したい機能に合わせて適宜プログラムを追加していく。はじめから自分で書かない。

・最短経路や二分木など用語は知っているものの、結局何に使うのか見出だせない

・午前問題に出てくる計算問題は、とりあえず答えから見る

...というように物事を論理的ではなく、漠然と感覚で捉え、プロジェクトマネジメントに対し情熱がない者である。

 

4. 午前Ⅰ

 午前Ⅰの勉強方法としては、自身の場合、過去7年分(春秋含む)の応用情報午前を6周でまあまあ張り合える。2020年プロジェクトマネージャの午前Ⅰ試験では、この勉強法で71.4点獲得し、免除権を確保している。今回のプロジェクトマネージャ試験では免除であったが過去の記事にて、勉強法を詳細に記載した。

リンク先の勉強法を結論だけ記載すると、

 ①まずはその年の問題を一周 (80問)

 ②間違えた問題は紙にメモして復習

 ③後日、再度その年の問題を一周

 ④間違えた問題は②の紙に上書き(ここで①で間違えた問題と同じ場合は番号に○をつける、新たに間違えた問題は②のメモに番号を追加する)

 ⑤後日、再度その年の問題を一周

 ⑥間違えた問題は②の紙に上書き(ここで①で間違えた問題と同じ場合は番号に☆をつける、③で間違えた問題と同じ場合は番号に○をつける、新たに間違えた問題は②のメモに番号を追加する)

 以上の内容を過去7年分行う。春秋分なので単純計算で14回分 * 80問 =  1120問の演習を行うこととなる。1日に1回分やると1時間程度で、2週間で1周できる勢いである。正直、これを学習スケジュールに盛り込むとなかなかキツい計画を強いられるため、本気で取りに行くのであれば免除が本来望ましい。

 ただし、IT用語や技術に自信ニキは何周もしなくても良いと思われる。自身の場合、たくさんの問題を解いていると「こっちの問題の答えはCなのに、この前つまずいた問題は答えAだったんだっけ...?」のように正しい答えがごっちゃになる場合がよくあるので、何周もすることによって不安を払拭している。

 午前Ⅰの問題演習は以下のサイトを利用。

 

5. 午前Ⅱ

 以下のサイトで過去のH21春からR3秋までの13回分のすべての過去問を5した。学習期間は8月中旬~10月中旬(試験前日)まで。

  午前Ⅱは1回分25問なので負担が小さく、1日に1回分を演習した。午前Ⅰと同様に、間違えた問題は紙にメモし、何度も間違えた問題は印をつけた。

 2回目の受験においては上記のような対策を実施したのにもかかわらず、60点というギリギリのラインで留まってしまった。ITの知識に対して関心がないのも要因のひとつであるが、ひとつひとつの定義が曖昧だと足元をすくわれるとともに、応用情報午前からの出題が午前Ⅱにおいてもよく出題されることが分かっているため、今後は午前Ⅱ対策においても応用情報の過去問に取り組んでいく予定である。

 足元をすくわれる午前Ⅱの例として、以下の問題を挙げる。

SDGsの説明として、適切なものはどれか。

1.企業が社会的責任を果たすべきであるとする考え方で、環境、人権などの活動に取り組むことを推進する考え方

2.地球環境などの課題において2030年を年限とする持続可能でより良い世界を目指す国際目標

 

 答えは2である。自身は1の方で回答し不正解となった。このような用語の定義が曖昧であると56点で不合格もあり得る展開となる。結局は勉強したところで運である。

 

6. 午後Ⅰ

 プロジェクトマネージャの試験対策本として、1回目の受験時に以下の本を購入していた。2回目の受験時においては購入をせずに、過去問を主体とした対策を実施した。本を活用する狙いとしては、「過去問の解答に対してなぜその解答になるのか」を重点的に探るためである。

 

 まずは、IPAの過去問題サイトからH28からR2までの5年分の過去問(問1~問3)を4周した。学習期間は7月中旬~10月初旬まで。その上で、一通り演習を終えた頃の10月上旬より、模擬問題としてR3の過去問を取り組んだ。特に、午後の過去問にも取り上げられていたアーンド・バリュー・マネジメント(EVM)におけるPV・AC・EVの計算や見方については重点的に学習した。これは結局、令和4年秋の午後には出題されなかったが、午前Ⅱに出題されることとなり、結局私はその問題を間違えた。

 プロマネにおける午後試験で困惑するのは「この問題に対しての解答は問題文から引っ張ってきていいのか、自分でアレンジして解答する必要があるのか」の線引が難しいところである。~のある活動はなにか、~の情報はなにか。という目的が見えうる単語で提示された問題は問題文から引用できる場合が多いが、「方針・対策・効果・狙いはなにか」など漠然とした単語で問われている問題は、問題文からかけ離れない程度に「いい感じでまとまる単語を自分で論述する力」が求められる。たとえば、ボキャブラリーとして「○○の度合い」、「段階的に詳細化」、「○○の実行の意欲が高まる」など大人の文章力がIPAの解答例に掲載される場合が散見される。こういった解答力は度重なる過去問を通じて得られる能力と気付きであるため、繰り返しの演習が望ましいと考える。

 このような解答力を踏まえ、実際に自身が令和4年のプロマネ試験で解答したものが以下のようになる。

 午後の論述を主とした試験の自己採点をしたところで無意味であるため、採点後の所感とはなるが、概ね採点結果どおりの73点というところで妥当性がある。

 

7. 午後Ⅱ

 午後Ⅱにおいては、1回目の受験時と2回目の受験時と同様に以下の書籍を大いに活用して試験対策を行った。書籍を活用した狙いとしては、本の中に記載されている論文例を暗記し、モジュールとして組み込んで活用することで論文ネタとして活用することを目的としたためである。なお、第三者に論文の推敲依頼をしたことがなく論文に関しても独学で実施した。学習期間は9月初旬~10月中旬まで。主に本を見ながら拾えるネタをノートにメモし、暗記する作業と実際に論文を1つ書き上げる対策を行った。

 1回目の受験で論文の評価がB判定となって落ちた理由を以下に示す。

・何からなにまでプロマネが全て行うような論述をしていた

→社内の業務リーダが行うこともプロマネ側で対処するような文を構成し、プロジェクトチームとしての活動が薄いように評価されたとともに、プロマネの役割を理解していないような評価がなされた

・○○プロセス、○○フェーズという工程ごとの作業を明確に切り分けられずに論文を構成し、まとまりのない論述をしてしまった

 私は、2回目の論文にて上記の内容を十分に是正した上で論述を行ったため結果的にA判定として評価がなされた。具体的な是正内容を以下に示す。

・何からなにまでプロマネが全て行うような論述をしていた

→「業務リーダに対し○○をするよう指示した。」「顧客のA氏に対して○○を提供するよう依頼した。」など人にぶん投げる論述を行い、プロマネ側で行うこととそうでないものを明確に分けて記述した。

・○○プロセス、○○フェーズという工程ごとの作業を明確に切り分けられずに論文を構成し、まとまりのない論述をしてしまった

→令和4年秋の問2においても、計画段階・実行段階というような問題文で出題され、それに合うようシナリオを頭で組み立てた。計画段階で実施する作業群と実行段階で実施する作業群を試験の紙に箇条書きで整理することで、工程毎にあった論述を意識することが出来た。よく論文対策において、問題文を読んでから話をどう組み立てるか整理してから論述を開始すること、というテクニックを見つけるが私はそのようなことをしていたら時間がなくなるので、組み立ては頭の中で記載をしながら流れで考え、どのようなことを書くかのみを論述前に箇条書きで整理することに留めている。

 全体的な論述ポイントとしては、「プロマネがその作業を行うにあたり、なぜそれを行うこととしたのか、狙いはなにか」を具体的に示しながら発生した事象に対してどのようなアプローチを行い、問題文に記載された内容に沿って誰が何をどのようにしたのかを論述している。問題文は例え、受験者が「??」となったとしても出題者がIPAとして度重なるレビューをした上で出題をしているのだから全てが正しく、神であることを忘れてはならない。問題文に対して反抗的な論述をすると、BからD評価となり得るので、問題文に対して「うんうんそうだよね」というイエスマンになって解答することが大前提である。そのような解答力を前提に、実際に私が午後Ⅱの問2で解答したものに近い抜粋論文例を以下に示す。※多少テイストを変えているので再現ではない

1-1 プロジェクトの概要、目標

 論述の対象は、A社における○○パッケージの導入における○○システムの構築である。私は情報処理・サービス業であるB社に属するプロジェクトマネージャとして参画し、プロジェクトを推進することとなった。○○システムは新たなバージョンがリリースされ更新が控えていることから既にA社に導入済みのパッケージ製品を一新して現状紙でしか行えていない○○システムの手続き業務を新システムで紙を使わずにシステム内でワークフロー化することをプロジェクト目標としている。~

1-2 ステークホルダが目標の達成に与える影響について

 新しいワークフローの機能において、A社の担当であるC氏が統括となり、随時A社社長に報告する形をとることとなった。当プロジェクトにおいては、主でプロジェクトの窓口となるシステム統括のC氏がプロジェクトの稼働判定承認を行うことから主要なステークホルダとして該当する。A社社長は現行パッケージにおける○○システムの手続き業務について紙運用に対し不満を持っており、C氏に対して○○システムの手続き業務においては完全ワークフロー化することがシステム稼働の必須条件であることが伝わり、プロジェクトの目標達成に影響をもたらすものとなった。従って、私は○○システムの手続き業務を完全ワークフロー化するプロジェクト目標を達成するために、次のような施策で顧客と積極的なコミュニケーションを行った。

2-1 計画段階におけるステークホルダの過大な期待

 私はプロジェクトの計画段階に先立ち、現行紙で行っている業務をワークフロー化するために必要なWBSを策定した。WBSを事前に策定した狙いとしては○○システムの手続き業務に関しての完全ワークフロー化という要求事項をもとに漏れなくA社とスコープを定義し、合意するためである。

WBSを計画段階でC氏に事前に共有したところ、「○○の業務に関するワークフロー化に向けたWBSが落とし込まれていない」との指摘を受けた。私は、社内の業務リーダに対し、C氏から指摘を受けた○○業務は○○システムの手続き業務以外であるサブシステムであり、今回のワークフロー化の対象外に位置することを確認した。

 この時点で、A社側は○○システムの手続き業務以外の完全ワークフロー化を視野に入れており、過大な期待を持たれていると判断した。同時に、プロジェクト目標の達成が妨げられるおそれがあると判断した。~

2-2 目標の達成が妨げられないように積極的に行ったコミュニケーション

 ~

 今回のスコープ内における手続き業務が○○パッケージ中のどこに相当するかを複数のサブシステムを図示してC氏へ説明することによりワークフロー化する対象のイメージを持ってもらうこととした。また、~

これにより、計画段階における過大な期待に対し構築プロジェクト内の当初スコープ範囲内で納まるよう調整し、当初の要求事項に則ったスコープの定義で再度構築範囲を合意する狙いがあった。

 ~

 提示した案に対してC氏より承認をもらい、結果的に上記に挙げた様々な施策とコミュニケーションにより、プロジェクト目標が妨げられないまま実行段階へ移ることが可能となった。

3-1 実行段階で生じた認識の不一致とその原因

 実行段階に先立ち、私は○○システムの社内業務リーダに現行のA社運用を示す○○システムの手続き業務における業務フローを作成するよう指示した。

 作成された業務フローやA社による要求事項の内容をもとにと○○パッケージが提供するワークフロー機能との間でフィットギャップ分析を行い、~ これにより、~を行う狙いがあった。

 実行段階に先立ち作成された業務フローと分析の結果をC氏に共有したところ、「○○システムの手続き業務には一部外部との連携が必要となるワークフローが必要となる見込みである」という指摘があった。私は社内の業務リーダに対し業務フローを見直すよう指示したところ、一部現行の紙運用の中で外部の機関とやり取りを行うA社独自の運用があることが判明し、業務フローの中に落とし込まれていないことが分かった。計画段階で検出できなかった理由としては、手続き業務の位置関係を明確にしながらも実際の業務の詳細までを落とし込んだ協議がコミュニケーションの不足によって行えていなかったことが原因として挙げられた。~

私はC氏から指摘のあった外部連携について実現しなかった場合はプロジェクト目標の達成が妨げられると考え、次のようなコミュニケーションを行うことで認識不一致の解消に努めた。

3-2 認識の不一致を解消するために積極的に行ったコミュニケーション

 私ははじめに、外部連携についてパッケージ開発部門の詳しい担当者とアポイントを取り、社内の○○システム業務リーダと外部連携に際して相手方に受け渡すパラメタとステータス等を洗い出すよう関係者に指示した。また、パッケージ標準で~

 その上で、顧客とのコミュニケーション不足によって生じた認識の不一致を解消するために、現行の運用フローと新システムのワークフローについて漏れがないかを確認することを意図とした週次の会議体を業務リーダとC氏の間で設定してもらい、進捗状況や今後の詳細スケジュールを協議することで認識不一致の解消に努めた。会議体の資料や議事録はプロジェクトマネージャを最終承認者として内容を確認し、月次の定例会においてもその内容について触れ、C氏と進捗状況を共有しながら都度、A社社長にもその内容を報告してもらうよう依頼した。

私は上記に論述した実行段階における様々なコミュニケーションにより、外部連携における現行運用の課題と新システム実現のための課題解決に向けた推進を確実に実施し、A社との認識不一致を解消させ合意を得ることができ、最終的にプロジェクト目標達成の見込みが得られたまま次工程へと進むこととなった。

 

8. まとめ

 今回は令和4年プロジェクトマネージャ試験に合格するまでの不合格から合格に至るまでの過程を示し、学習方法について具体的に明示した。高度情報処理試験は運の要素が強い。難易度どうこうよりも、結局自分の得意分野や取組みやすい問題文、解答の仕方によって向き不向きが年度によって違ってくると考えている。今回紹介した学習例を何度か過去に実践したとしても、不合格となっているのが高度試験である。逆に全然勉強してなくても合格する場合がある。情報処理技術者試験は士業ではなく、結局は肩書だけなのだから、合格不合格に一喜一憂せず、継続的な研鑽が重要であると認識している。

 プロジェクトマネージや試験に挑戦されている方や今後受験を検討されている方向けに参考となれば幸いである。

 

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